2007年7月7日付け
百周年に対する日本側の寄付金が送れない――!?ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)の免税口座団体(OSCIP)「日伯社会文化統合機関」が今年四月、連邦法務省の認可を受けたことから、ブラジル国内での寄付受け付けが始まった一方、昨年末に日本の在日外国人向けメディア「IPCワールド社」から申し出を受けた百万レアルの寄付が、半年経った現在も受け取れないでいることが分かった。
この問題は、送金のためには、ブラジル側事業が日伯交流年事業として、日本側実行委員会の認証を受けることが必要というもの。
交流年に関する国際送金業務を行なう海外日系人協会から、連絡が入った。これを受け、同協会は現在、十一のプロジェクトの詳細な予算内容を取りまとめるなどしている状態だ。
松尾治執行委員長は「早く問題を解決し、一刻も早くさらなる寄付をお願いできる状態にしたい」と話しながらも、初めての日本サイドからの送金手続きに苦慮しているようだ。
五月二十一日付けで海外日系人協会から、百周年協会に送られたメールによると、日本からブラジル側百周年への寄付は、特定公益増進法人である同協会が協力、実施するという。
しかし、あくまで外務・財務省の認証を要する交流年事業に対するもので、認証を受けていない百周年事業に送金業務は難しいとの考えだ。
百周年記念、日伯交流年事業を支援・協力する日本側の実施体制である日伯交流年実行委員会を経由させることが望ましい、としたうえで、認証取得のためには、記念協会側から、百周年事業の概要、定款など関係書類の提出が必要と助言している。
これを受け、同協会では、各プロジェクトの詳細な予算書など、現在書類を作成している。小川憲治事務局長は、「今月末には送れるのではないか」と話している。
なお、ブラジル側では昨月、千レ、五百レそれぞれ二口の計三千レ、「望郷の桂植民地」の著者、坂川オノフレさんが五千レ、サンパウロ市ビリツーバ在住の金森琢美さんが四百五十八レ(本紙六月十五日既報)に加え、某宗教団体から、三十万レアルの寄付が行なわれている。
国内からも浄財が集まり初めている状況に、五日の百周年協会執行委員会でも募金活動に注力するとの意識統一がなされたようだ。
松尾委員長は、「これからも寄付をお願いしていきたい」とコロニアに対する理解を求めている。