2007年7月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】五月の工業生産が予想以上に好調に推移したことで、悲観視していた向きはもとより、楽観論者にも驚きをもって迎えられた。
ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、五月度の工業生産は前月(四月)比一・三%の増加となった。金融業界での予想が〇・四%どまりだったことから大幅に上回った。これにより成長は二〇〇四年以来初めての八カ月連続となった。前年四月比では四・九%増となり、今年に入っての累計は四・四%増となった。
これによりエコノミストらは年内の工業生産増加率と、それにともなう国内総生産(GDP)成長を上方修正する動きを見せている。IBGEのアナリストは、基幹産業である機械業界の成長が目ざましく、これが広くほかの業界をリードしているとして、健全な体制になっていると分析している。
コンサルタント会社のテンデンシアでは年内の工業成長を三・七%、GDP成長を四%としてきたが、見直しの段階にきているとの考えを示している。その上で好調の要因は内需が旺盛なのと、設備投資が急増していることに支えられていると指摘している。
応用経済研究院(IPEA)でも、五月度の工業生産はマイナス〇・一%と予想、年内は四・四%にとどまると予測していた。同院では投資、金利引き下げ、クレジットの拡大が経済成長の引き金となっているとし、「非常に良好な結果」だ賞賛している。
IBGEでは今年が〇四年の好況時代と同レベルになっているとし、〇四年は輸出ブームが原因だったのに対し、今年は内需も合わせ内外ともに好調だとしている。その一例が自動車業界で、輸出は不調だがその見返りに内需が急伸しており、五月の生産は前月比三・七%増になったと指摘している。
五月の生産で、昨年五月対比で大きな上昇を見せたのは機器類(一九%)、自動車(一〇・八%)、電気機器(一四・五%)、鉄鋼(七・一%)、化学品(四・二%)で、反面減算となったのは出版印刷(マイナス五・五%)、電機通信(マイナス四・二%)、紙パルプ(マイナス二・九%)だった。