2007年7月3日付け
公安調査庁長官から検事長まで務めた緒方重威容疑者が、こともあろうに「詐欺」の疑いで逮捕されるなど、世の中には解らないことが多い。アメリカの下院外交委員会が決議した慰安婦問題に関する対日非難も、日本人の理解を超え、納得もできない。この件については先にも触れたが、法案の提出者はマイク・ホンダ下議であり、反日運動を展開する在米の中国系団体と極めて近い▼勿論、この決議に法的な拘束力はない。しかし、今の情勢だと下院の本会議でも可決の可能性が高く、そうなれば国際的な影響力も強くなる。この点を憂慮した駐米日本大使の斎藤 氏は、有力議員らと会談し「軍が慰安婦を強制徴用の事実はない」を説明し、慎重な審議を求めもした。こうした行動はまったくの異例なのだが、決議案は可決される▼この決議については、日本の論調も割れている。朝日新聞は支持だし、読売と産経は反論である。この問題では、河野洋平衆院議長が、官房長官だったときに、軍の強制徴収を認めるような発言をしている。だが、官房副長官が調べたところ、霞ヶ関にはそんな資料がないことが判明し「河野談話」を否定する動きが強い▼もっと追求すべきは、下院外交委が資料として使ったのが「昭和18年、日本の軍隊が韓国の済州島で女性200人以上を強制徴用した」という「吉田清治証言」である。この証言がインチキなのは歴史家・秦郁彦氏の現地調査ではっきりしている(産経)。と、こんなアメリカの欠陥をもっと攻めるのが筋ではないか。29日のフジサキをフジモリに訂正します。(遯)