2007年6月30日付け
松濤館に所属するブルゴス・ジュアン・カルロス・クエバスさん(55)は、昨年、日本の東京体育館で行われた第九回世界空手道選手権大会マスターズ組み手の部(年齢区分五十五歳~五十九歳)で準優勝を果たした。チリ出身の非日系人。最近、青森県人会館で指導を始めた。日本の武道の理解者で、大会には出場するが、「勝つのが目的でない」と言う。また、中高年は、若者に比べ俊敏さは望めないが、正しい空手を習得できる、と稽古をすすめる。
カルロスさんは、チリの首都サンチアゴの南に位置するタルカワノ出身で一九七七年に空手を始めた。以降十年間はチリで鍛錬していたのだが、八七年にブラジル人師匠のイトウ氏に出会い、ブラジルへと移り住む。
ブラジル国内にはリオにしかない同館。約七十人ほどしかおらず、国内だけでは大会を開けるほどではない。そのため異なる流派に入って大会に参加している。
カルロスさんは「様々な武道をしているが、結局は一つに繋がっている」という考えから、剣道や他流派の空手をしている。また、「武道は勝つことが目的ではない」として、自己研磨のために日々鍛錬している。
さまざまな大会に参加しており、ブラジル国内大会では四回ほど優勝している。九四年は東京で型の部で四位、九九年はウルグアイで組み手の部で三位と上位に顔を出している。優勝したり、入賞したりしている回数が多いため、正確な数は分らないらしい。
現在、青森県人会館で毎週金曜日の午後六時から一時間半ほど空手の指導にあたっている。まだ始めて一カ月少々なので会員数もまだ数人。参加者を募集している。
空手は早く動くイメージがあり、年配の人には少々大変のように思われるが、俊敏に動作をすると間違っているところが分らず、〃適当に〃なってしまいがちになる。しかし、ゆっくり動くことにより様々な違いや間違いを分ることができる。そのため、「お年寄りだから空手はできないというわけじゃない」と付け加えてくれた。