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09年インフレ目標4.5%=通過審議会が据え置き=中銀目標4%と二重基準に

2007年6月28日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】国家通貨審議会(CMN)は二十六日の会議で、二〇〇九年のインフレ目標を四・五%に据え置くことを決定した。
 その上で上下二%を許容範囲とした。これにより基本的には目標を四・五%とした上で、二・五%から六・五%までの枠内は許容できるとした。さらに中銀に対し、四%の目標達成に向けて政策を実施することを承認した。
 これに対し金融業界では不透明な決定だとして、不審の入り混った驚きをもって迎えられている。一部のアナリストは「暗黙の目標」ととらえ、審議会の真意が図りかねると酷評している。
 中銀筋でも戸惑いを隠せず、目標を失ったインフレ抑制策を実施することになると不満を漏らしている。中銀では産業界の圧力にもかかわらず、インフレ抑制を第一として通貨政策委員会(COPOM)で基本金利を決定してきただけに、今回のあいまいな目標の下ではインフレ対策という大義名分を失うことになると指摘している。
 メイレーレス中銀総裁はこれまでインフレ目標を政策意向に基づき、〇七年および〇八年は四・五%、〇九年は四%と設定してきただけに、今回の決定を、ハシゴを外されたと受け止めていると伝えられている。
 関係者によると、マンテガ財務相ただ一人が〇九年のインフレ目標を四・五%とすることを主張していたが、残りの審議会メンバーは四%の線で固まっていたという。しかしルーラ大統領が先週、新聞のインタビューに対し、〇九年も四・五%の目標を維持すると公言したことで、メンバーは翻意して大統領の意向を決定に反映させた。
 マンテガ財務相は四・五%に固執した理由について、インフレ抑制のために金利が上昇、または引き下げがペースダウンすることで経済成長が停滞するのを危惧する所似だとの考えを示した。
 ブラジルのインフレ抑制は短期的に効果が出たことで国際間の評価を得ている。国際通貨基金(IMF)の報告書によると、ブラジルのインフレは〇三年に一四・八%だったのが〇六年は四・二%となり、わずか四年間で先進国レベルになった。
 チリは一九九〇年の二六%から一九九八年に五%となり、現在は四%台となっている。メキシコは一九九六年に三四・四%だったのが二〇〇二年にようやく五%にこぎつけた。インドも一九九一年の一三・九%から四%になるのに八年間を要した。コロンビアは、一九九四年の二二・八%から五%以下になったのは〇六年になってからだった。