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伯企業、海外進出に拍車=多岐にわたる業種と規模

2007年6月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ブラジル企業は二〇〇七年一月から三月までに、生産のベースと製品のマーケットを拡張するため、五二億ドルを海外へ投資した。昨年同期比で五七・五%増である。
 グローバル市場の中でブラジル産業が成長するのは自然であり、健全である。同様に中国やインド、メキシコも、企業誘致ばかりでなく海外進出へ拍車をかけている。
 ただブラジルは、海外投資額が増えただけではない。企業進出の業種分野が広がり、多岐にわたったことだ。さらに大企業ばかりでなく、中小企業から零細企業に至るまで規模の幅も広がった。
 そこで注目すべきは、なぜこれら企業が海外進出を思い立ったのか、だ。オレンジジュースなどの大企業は、輸入障壁を克服するため、鉄鋼は再編と寡占化で筋肉をつけるためであった。
 海外進出で先輩格のペトロブラスは、石油メジャーにならって国際スケールの一貫作業が夢であった。これで、ブラジルが必要とする石油を確保したことになる。他にアルゼンチンの経済回復やチリの経済発展、中米諸国の台頭の波に乗って、支店設置など進出した企業も多い。
 海外進出を思い立った動機には、レアル通貨の高騰もある。ドル安が世界現象となった今、そのインパクトは国内よりも海外が大きい。しかし、それは状況的要因であって、海外進出の動機には今一つだ。
 海外で企業買収か工場建設を行うとき、コストの差やマーケットへの入り方で面食らう。特に米国進出は双方の通商協定がないため、進出の課題となる。コストの差は税金と福利厚生引当金で海外は非常に有利だ。進出先によってはインフラが拙劣で、ブラジルの比ではない。
 企業の海外移転を促すものに商品流通サービス税(ICMS)がある。米系の大企業は、ICMSの複雑さを理由に大豆の加工工場をアルゼンチンへ移した。日本や欧米の企業は、税金の安い国ではなく、原料が安価に入手できる国と人件費の安い国へ、企業進出をする。
 ブラジルは税金の安い国へ行く。ブラジル企業にとって海外進出とは誤った政治の結果であり、海外進出とともに雇用も失っているのだ。