ホーム | コラム | 大耳小耳 | 大耳小耳

大耳小耳

2007年6月27日付け

白寿たち、しっかり感謝=文協恒例表彰、37人対象に=108歳浅見翁は〃日本食党〃=後藤留吉さん「元気で生きたい」

 〇七年白寿者表彰式(ブラジル日本文化福祉協会主催)が、二十四日午前九時から、文協大講堂で行われ、表彰者と家族が出席し、喜びの日を共に祝った。コロニア芸能祭(二日目)の開演に先立ち、毎年実施されているもので、ブラジル国内各地から、今年は三十七人が表彰され、本人が参加できずに、代理出席をする人もいた。本人出席者たちは、表彰状や記念品を受けると、しっかり感謝した。
 表彰実施において、今回もスダメリス銀行が協力。主催者側から上原幸啓文協会長、来賓として在サンパウロ総領事館の沖田豊穂領事、スダメリス銀行の清水潔(きよし)オリジオ取締役、ジェトロ(日本貿易振興機構)サンパウロ事務所の渡邉裕司所長、国際協力機構(JICA)ブラジル事務所サンパウロ支所の野末雅彦次長、都道府県人連合会の松尾治会長、日伯援護協会の尾西貞夫副会長、野村アウレリオ市議会議員、ウィリアン・ウ―連邦議員代理の関谷ロベルトさん、頃末龍彦アンドレ芸能祭実行委員長が出席した。
 上原会長は「今年は三十七人の白寿のみなさまを迎えました。みなさまが経験してきた苦労の日々は並大抵のことではない。日本文化の発展に尽くしてきたことに感謝します」とあいさつ。
 沖田領事は「風俗、習慣が異なる地における今日の日系社会の立派な発展、繁栄は、みなさんの貢献の賜物であり、私たち世代のお手本であります」と述べた。
 その後、来賓たちの手から、三十七人に表彰状、記念品、金一封が贈呈された。
 表彰者の中には、表彰状を受け取り、泣く姿も見られた。一人が「われわれ白寿者のために、このような場で、盛大に式を挙げてくれたことを感謝します」と述べると、会場中から拍手や歓声が沸き起こった。
 イタペセリカ・ダ・セーラ在住の三浦クワさん(99・熊本県出身)が、被表彰者代表あいさつで「昔から積み重ねた努力が、今日の結果だと思う。今日の発展と繁栄をめでたく思う」と最後は泣くような声で謝辞を述べた。
 今回、ブラジル日系最高齢者は、サンパウロ在住の浅見重平さん(108・新潟県出身)。本人が出席できず、代理で息子の浅見亮(りょう)さんが、表彰状を受け取った。
 亮さんの話では「父の重平とは、今は一緒に住んでいないから、日常生活はあまりわからない。この賞を父が頂いたことを私も嬉しく思う。早くこの表彰状を手渡したい」と話す。
 亮さんによると、浅見さんはふだんの生活では、健康に気を遣っていて、特に内臓系に留意している。食事も腹八分目で、今も日本食、ブラジル食両方を食べているが、日本食を食べることが多い。昔、相撲をしていたことから、大相撲の取り組みがNHKで放送されていれば、好んで見ている。
 カンピーナスの後藤留吉さん(99・兵庫県出身)は「八十年前に一人でブラジルに来て、こういう賞を初めて頂いて嬉しい。皆さんのおかげで、ここまでこれたことを感謝している。今日の表彰式のことは、家族に伝えなかった。なぜなら、来年の百周年で、百歳ということを伝えたいから」と心境を語った。健康の秘訣は、ふだん散歩すること、日本料理を食べて、五十年前から、毎朝青汁を飲んでいること。「これからも元気で生きたい」と意欲的だ。