2007年6月27日付け
山形県内にある「アマゾン自然館」と「アマゾン民族資料館」両方の館長を務める山口吉彦氏(65)がこのたび、六年ぶりに来伯した。
今回の目的は、移民百周年を記念して、来年三月頃から同民族館で行う予定の特別企画「ブラジル文化展」の資料収集と調査だ。特別展の開催時期が移民百周年に重なるので「移民」をメインにする予定。
今月十四日に来伯して、サンパウロ州やサルバドール、マナウス、レシフェ、リオ、南部諸州を訪れ、資料を集め、七月初旬に帰国する。
同民族館の常設展示では、アマゾンに住むインディオの生活様式などを中心に十数テーマの展示が行われている。同展示物は自ら収集した物ばかりで、約二万点以上ある。企画や展示に関することは全て自分で行っている。
インディオの人たちの生活を知るために生活を共にしたり、物々交換をして資料収集をした。弓矢を持ったインディオに周りを囲まれるなどの大変な苦労も体験したが、「アマゾンに対する情熱は冷めることはない」という。アマゾン奥地を開発する企業に同行して通訳することもあった。
同氏は「子供たちが興味を持ってくれることが一番嬉しい。これからもっとアマゾンやブラジルをアピールできれば」と希望を交えながら話してくれた。
「アマゾン自然館」はアマゾンのジャングルをジオラマで表現し、同氏が収集した標本や剥製などを展示している。
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山口さんは一九四二年山形県鶴岡市生まれ。七一~七二年にペルーの日本人学校で教鞭を取る傍ら、アンデスやアマゾン上流地域の調査を行った。七四年に生物学調査のためにアマゾン地域を訪ねた。七六年にはパラー州ベレン市の日本人学校で教鞭をとる傍ら、アマゾン奥地のインディオ集落を訪ねて調査。八〇年に収集した資料を持って帰国し、私費でアマゾン資料館を自宅に開設。九一年に朝日村にアマゾン自然館を、九四年に鶴岡市にアマゾン民族館をそれぞれ開館。