世界10カ国から18の県人会関係者が母県に集う「第2回在外県人会サミット」が8月26日から4日間、福島市で開催され、ブラジルからは永山八郎会長が出席した。関係者らは期間中、県内各地を巡って母県の現状に理解を深め、東日本大震災後の風評被害払拭に向けた取り組みを誓った。
地元紙「福島民報」によれば、知事公館で開かれた意見交換会には、各県人会の代表者22人が出席した。佐藤雄平知事は東日本大震災発生後の支援に感謝すると共に、正しい情報の発信による風評払拭への協力を求め、県人会側はそれに応じる旨を伝えた。
2年前にも被災3県を訪ねたという永山会長は「震災から3年経ち、復興の勢いは目覚ましい。郡山市には再生エネルギー研究所もでき、将来的には原子力から自然エネルギー発電に切り替わる」と今回見てきた感想をのべたが、「今も福島県内だけで12万6千人の避難者がいる」との厳しい現状も報告した。
訪問地では、米の放射性物質を調べる全袋検査の状況や、会津木綿など伝統工芸品の製造会社も見学し、福島産品を世界に発信するための下見を行った。
永山会長によれば震災後、世界でいくつもの福島県人会が結成されている。在外県人会組織「ワールド県人会」の満山喜郎会長から、ベルギーのブリュッセルとタイのバンコクで近々支部が新設されるとの報告があった。
また、永山会長は会津喜多方市商工会議所主催の歓迎会にも出席した。同市からは、昨年サミットに出席した曽我部威事務局長の呼びかけで、県連日本祭りに合わせて企業家が来伯するなど、活発な交流が続いている。永山会長は「喜多方市と組んで福島産品のアピールに力を入れたい」と話している。
永山会長と共に来社した曽我部事務局長は、「世界最大のブラジル支部には県からの期待も大きい。3年前に中断していた短期留学研修制度も今年から再開する」との朗報を伝えた。