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上院議長の資金出所は外部=愛人の弁護士が証言=倫理委=告発受理表決を延期=矢折れ力尽きた上程者

2007年6月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】上院倫理委員会がカリェイロス上院議長(ブラジル民主運動党=PMDB)の供述を立証できないため、マッシャード委員長(労働者党=PT)は十八日、告発受理の表決を延期し、上程者のカフェテイラ上議(ブラジル労働党=PTB)は健康を理由に辞任した。愛人ヴェローゾさんの弁護士カウモン氏は、実娘の養育費一万二〇〇〇レアルが同議長の給料では決済不可のため、一部を給料から、残部を本職外収入から充当したと証言。同弁護士は、議長に外部資金の出所があることを確認した。
 上院議長告発の焦点は今後、カウモン弁護士となりそうだ。アラゴアスのボスは、愛人と実娘の養育費一万二〇〇〇レアルを自分の給料から三〇〇〇レアル、三者から九〇〇〇レアル払わせたらしい。そればかりか愛人は、一〇万レアルを二つの紙袋に入った現金で受け取ったという。
 議長陣営の特殊部隊が、カウモン声明は司法機密に属し公開禁止事項であると訴えた。陣営の一人、上程者のカフェテイラ上議は証人喚問を行わずに告発を強引に取り下げようとしたが、辞任した。議長の友人ゴンチージョ氏は、ロビイストと呼ばれることは迷惑であると不快感を示した。
 議長の弁護士フェロン氏は、カウモン声明を偽証だと糾弾した。上程者辞任のため委員長が一時代理を務めながら、上程者不在のまま表決を十九日へ延べた。
 ロレンゾーニ下議(民主党=DEM)は、倫理委員会が上院議長の個人経費を建設会社に肩代わりさせた事実の反証ができるまで休職を求めた。このような疑惑を背負ったまま上院議長の席に留まることは、上院の尊厳に抵触する。ブラジルの議会政治も完熟した今、議長は国会の尊厳を守るべきだという。
 政治改革が叫ばれる現在、議会を商取引の場所とする政治概念を捨てるべきである。同下議案は党の賛同を得たわけではなく個人の見解に過ぎないが、自由社会党(PSOL)や緑の党(PV)、社会大衆党(PPS)が合流、倫理委で廃案となれば最高裁上訴で協調を申し出た。
 ガベイラ下議(PV)は、連邦警察による議長供述の裏取りの結果を待つべきだという。上院倫理委員会が議長擁護で結束しているので、敵陣奇襲の上訴は急ぐべきでない。倫理委の結論を待って、然る後に連警と検察庁の捜査結果を待つのが肝要という。
 ガベイラ下議の見方では、倫理委員会が数の力で事実を隠ぺいする態度は理不尽と国民が訴えるという。少数派をじゅうりんできても、国民をねじ伏せることはできない。上院議長が倫理委の審理対象になること事態が、休職の理由であり、留任は異常だとした。
 ブラジル全国司教会議(CNBB)のドン・リリオ会長は十八日、議長個人の潔白は個人の問題であるが、上院議長への告発は国会の尊厳として審理されるべきであると声明を発表した。告発は状況証拠や報道による断罪ではなく、確固たる根拠に立つ必要がある。無実が証明されなければ有罪は当然という。