2007年6月19日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】政府は十七日、公務員の罷業権を規制する法令原案の起草を明らかにした。原案は、ストライキには職種組合員の三分の二以上の合意を要するというもの。ライフラインに従事する公務員や公社職員は、最低四〇%が勤務に服する。これらの規制に公務員が反する場合、政府は臨時要員を採用する。公務員ストが不当と見なされた場合、スト中の期間は給料から差し引く。法令原案は労働組合との交渉と修正の末、八月までに議会へ上程する。統一中央労組(CUT)は、臨時総会を召集のため、一定期間の猶予を求めた。
政府は国家機能に支障を来たす連邦や州、市公務員と公社職員ストに対し、職員の三分の二以上の同意と臨時要員の採用により強硬姿勢で対応する。
また市民の生活に欠かせない病院や電気、水道、電話、交通、治安、刑務所、動植物検疫、葬儀、税務署、税関、国境警備、航空管制、高齢者対策などライフラインに従事する公職員は、最低四〇%の勤務続行を求められる。
現在は何ら規制もなく、大統領が省庁のポイント採点を行うだけであった。同令が承認されると、目下スト中の環境保護院(IBAMA)や農地改革省(INCRA)などがまず活を入れられそうだ。同二機関は至急、裁判所へスト期間中の給料差し引き阻止手続きを行った。
判事の間には、公務員ストの給料差し引きについて色々な見解がある。それを禁じるスト法がなく、給料差し引きの法的根拠もないからだという。法令原案は、労組と相談のうえ給料差し引きを法制化するという。
他に主な原案内容は、実施四八時間前のスト予告。公務員はストの際、単独行動を禁ず。スト中の欠勤は無断欠勤となる。ライフライン四〇%の職員確保が不可能の場合、臨時要員の採用を行う。規定外ストは不当ストと見なし、本給の三〇%以内を差し引く。また労組は一日につき、三万レアルの罰金を払う。
物議をかもしそうなのは、三分の二の合意である。CUTのサントス理事長は不可能だという。教員組合の場合、組合員が一五万人おり、スト決行について一〇万人の合意を得ることは至難とみている。
ライフラインの四〇%勤務続行についても、全員スト突入を決議してから四〇%が残留または合流を拒否することは考え難いという。ストを決行すると、スト期間を差し引かれても後日時間外勤務で穴埋めするから、法令は無意味になるとみている。
ルーラ大統領は十三日、公務員ストに対して強硬に対処する意向を表明した。大統領は閣議で、スト決行中の公務員に対し給料を差し引くよう命令した。ストが一カ月以上にわたっているのは、他に文化省や核エネルギー局、国立大学などで、全国で九万五〇〇〇人も居候となっている。ストに対しては給料の差し引きだけでなく、最後通告にも応じない者にだけ、ストによる権利要求にも応じないよう大統領が指示した。