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CIATE今年15周年=新たなデカセギ支援を模索=海外日系人、パンアメ両大会で=講演会と分科会を開催へ

2007年6月16日付け

 CIATE(国外就労情報援護センター、二宮正人理事長)は、十二日、定例役員会後に会見を行い、第四十八回海外日系人大会/パンアメリカン日系人大会合同大会の分科会「日本での就労に関して」の内容を公表した。今年の十月に設立十五周年を迎えるCIATE。「百周年後には日本政府との関係のあり方にも変化がある」と二宮理事長は話し、他団体との協同も視野に、新たな国外就労者支援の可能性を模索していると加えた。
 「同一プロジェクトに日本政府が十五年間もお金を出し続けているのは、ほかにないらしい」と二宮理事長。十月二十、二十一日には記念行事をする予定だ。
 二宮理事長は「CIATEに情報を求める人は年々減ってきている」と現状を話し、その理由として、日本の情報を得るのに、すでにデカセギとして訪日している親族や友人らの存在が大きいことを挙げた。
 また「日本政府からの送金は年々減ってきている。CIATEとしては、例えばセブラエ(零細企業支援サービス機関、SEBRAE)などの他団体や協賛企業との協同も検討しながら、さらなる事業の可能性をみていきたい」と今後について述べた。
 現在、無料で行われている同センターの日本語講座についても、将来的には有料にする方向で、研究を進めているという。
 CIATEは、来月、二つの大きな行事を実施する。
 一つは、在日ブラジル人支援サービス(SABJA)代表のモリ・ヨシコ・シスターを講師に迎え、七月七日午後三時から、講演会「在日日系人の就労の現状とその子供たちの将来について」(同センター、文協一階)。モリ・シスターは修道女としてローマで修行を積み、二十年前から滞日。デカセギ者の動向に、初期のころから詳しい。
 また、CIATEは、両日系人大会の分科会として「日本での就労に関して」を担当。現在、参加者を募っている。
 分科会は、ポルトガル語のみで行われ、参加者には「職場で役立つ日本語会話集(海外日系人協会発行)」が無料で配布される。希望者は七月五日までにCIATE(3207・9014)に連絡すること。
 分科会の日程は次のとおり。七月十九日午前九時=佐々木リカルドCIATE相談員「CIATE経由の日本就労と事前の準備」。午前九時四十五分=モリ・シスター「在日日系人の就労の現状とその子供たちの将来について」。午後十時四十五分=中川柳田郷子心理学博士「帰国後の日系人子女の教育問題について」。午後十一時四十五分=パネルディスカッション「在日日系人就労者と子女の今後の問題及び対応について」。午後一時四十五分=ドキュメンタリー映画「ブラジルから来たおじいちゃん、在日日系ブラジル人を訪ねて」鑑賞。午後三時から=ブラジル日本移民史料館見学。