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第1・四半期=GDP成長率は4.3%=主役は国内消費=サービス好調、工業不振=税収はGDPの倍超

2007年6月15日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】ブラジル地理統計院(IBGE)は十三日、二〇〇七年第1・四半期の国内総生産(GDP)が昨年同期比で四・三%増、前期比で〇・八%増と発表した。GDP増加をけん引したのは、所得向上による国内消費の六%増で、花見酒経済といえそうだ。雇用とクレジットも、昨年同期比で六%増。サービス部門は同四・六%増。工業部門は同三%増と予測を下回った。輸出部門はドル安の影響で五期連続のマイナス。輸入は一九・九%増と輸出をはるか上回ったが、設備投資の七・二%増に貢献した。
 ルーラ大統領は、第1・四半期のGDP四・三%増を不満とし、最低四・五%を保つよう経済活性化計画(PAC)担当スタッフに発破をかけた。第1・四半期のGDPは総額で五九六二億レアルとなり、国内消費と為替危機の綱引きとなった。
 過去十二カ月間の経済成長率は三・八%で、昨年同期の三・七%よりやや上昇した。国内消費は一九九七年の第2・四半期以来、十四期連続で増加した。これらの要因から、今年は経済成長率が四%から四・五%に達するとみられている。
 流れに逆行したのは輸出である。輸出の五・九%増に対し、輸入は一九・九%増。輸出の落ち込みがなければ、第1・四半期の経済成長率五・七%は可能であった。しかし、輸入は輸出の種まきである。企業は設備の近代化と生産性向上に賭けたのであり、今後が期待される。
 輸入は、消費者の舶来品趣向で毎期一%の増加傾向が定着した。輸入と消費向上の他に、サービス業が〇四年以来の活況を呈している。サービス業の中では金融が九・二%増とトップ、続いて携帯電話が七・三%増。卸・小売りが六%増とサービス業の好調を物語っている。
 工業はペンペン草が生えそうだ。悪いのはメーカーで、二・八%増という体たらく。農畜産業はようやく不況から抜け出し、昨年同期比二・一%。まだ今年の収穫で見えるような成果はない。〇八年の収穫に期待する。
 輸入が急増したにもかかわらず、商品価格に反映されていない。輸入品は国内生産の減速でできた真空地帯を埋めただけである。これから輸入品の消費について、中央銀行は消費の過熱を見ながら、基本金利の手綱を採ると思われる。
 一方、税収は一〇・二%とGDPの倍以上も増えた。広範囲消費者物価指数(IPCA)によるインフレ率を差し引いた実質増収である。これは法人や個人の納税者が第1・四半期、一人平均一一九一レアル払ったことになる。昨年比で一三%増の税金を納めたのだ。
 第1・四半期のGDPに大統領は不満だが、マンテガ財務相とメイレーレス中銀総裁は、四・三%を妥当としている。〇七年の目標四・五%に、あと一息という。中銀総裁は、ブラジル経済が成長軌道にのった証拠だと満足した。
 ブラジル経済が目に見えて上昇気流に乗ったのは、〇六年下半期からだと、ベルナルド予算管理相はいう。今年の第2・四半期は、さらによい結果が期待できる。工業の回復は、自動車産業の昨年同期比八・三%増で確信できると述べた。しかし、期待するPACは資金投下が予想以下で、不調である。