2007年6月15日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】十三日に行われた下院会議で、連立与党が上程した政治改革法案が野党側の反対で審議差し止めとなる事態となった。同法案は各政党執行部の賛成を取りつけた上で、同日に決議することが意図されたももの、各党の造反議員がこぞって反対を表明、多数決で決議が見送られた。与党では十九日の議会で再度決議を図るとの意向を示しているものの、野党は廃案になるとの見方を強めている。
今回の政治改革法案は選挙法改正を骨子としている。上程案では各党が選挙(地方選挙も含む)に際し、これまでの各議員が個別に候補者に投票してきたのを廃止し、各党派の候補リストに投票するというもの。つまり党が決定する公認候補、いわゆる密室リストに賛否を問うものにとどめた。候補者を各政党の執行部が決定することで権力の集中を図る。これにより選挙費用も国庫負担とするもの。
これに対し造反議員が反発し、十時間以上の議論の末、二四五票対一九四票の多数決で審議差し止めとなった。最大与党の労働者党(PT)では首脳部が賛成票を投じるよう決定したにもかかわらず、出席した七十一議員のうち二十七議員が反対し、足並みの乱れを露呈した。これら造反議員は党方針違反で叫弾されることになり内部問題に発展すると見られている。
ブラジル民主社会党(PSDB)では五十三議員のうち四十六議員が票決先延しを表明した。同党の首脳部は改革法案に賛成を表明しているが、党員は事前に何らの協議が行われなかったとして、首脳部の独走を批判している。同党内でも確執が表面化するのは必至とみられている。
改革法案ではこのほか、議員の政党移籍の禁止、選挙区の定員の見直し、連立政党の規制、大統領をはじめとする任期の延長などが盛り込まれている。