2007年6月14日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】スロットマシンの不法賭博営業に絡み、サンパウロ市民警察に組織ぐるみの収賄の疑いがあるとして捜査していた連警は十二日、電話盗聴記録から五件を実証できるとして、本格的に追及することになった。
収賄疑惑は全く偶然に発覚した。スロットマシンを店頭に置いて不法営業していたバールやレストランの弁護業務を担当していた弁護士が先月二十五日、サンパウロ市内マルジナル・ド・チエテ大通りで強盗に遭遇し、逃げた所で事故を起こした。弁護士は重傷で病院に収容された。
そこで事故処理に当った軍警が封筒に入れられた二万七〇〇〇レアルの紙幣とリストを発見した。封筒の裏には複数の警察署と署長および捜査員の名前が書き込まれていた。告発を受けた連警は、弁護士の事務所および自宅を家宅捜査して関連書類を押収した。
これにより警察当局内部ではスキャンダルとして物議をかもしたものの、警察規律委員会では、当の弁護士が入院中であることと、物的証拠の不足を理由に不起訴処分としていた。
ルーラ大統領の実兄が連座したスロットマシン・マフィアを捜査していた連警は、一連の電話盗聴記録の中で本件に関連するものを発見した。電話の主は二十年にわたり賭博やゲーム機器および部品を販売している会社経営者で、二人の人物と会話している。
その中で経営者は弁護士がビンゴ店、バールやレストランから売上げの一部を徴収し、警官らに目こぼしのための上納金を収めていた事実を明らかにした。その上で弁護士は、かなりの金額をピンハネしていたとも語っている。
連警の調べによると、少なくとも二十九の警察署が疑惑に絡んでおり、このうち二十人の警官が毎週金曜日に上納金を受取っていたとみている。サント・アマロ警察署に宛てた封筒の中には、「当分取締りは見合わせるように」のメモも入っていた。