2007年6月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】教育省は十一日、大学の質向上を目的に大学の七%に当たる一万三四〇〇の学部を指導すると発表した。全国で在学生の学力テスト(Enade)を行った結果、卒業をまじかに控えた約一〇〇〇学部の学生の学力が、学力テストに合格した学生に比べ、最低基準すら満たしていないことが判明した。これらの学部責任者は教育省査察官の訪問を受け、学部の質向上を期する念書を提出することになる。また優良と認められた学部は、わずか〇・八八%の一一八学部に過ぎなかった。
全国の大学の七%に当たる一万三四〇〇学部が、教育省の指導を受けることになった。さらに下の一〇〇〇学部に至っては、名ばかりで大学の体を成していないという。ブラジルの一流と見なされた一一八学部は、五三が国立、三六は州立、私立は二九。その内一九はサンパウロ州にある。
名ばかりの大学は三三学部。うち私立が二一、国立が八、州立が二、市立が二。次はサンパウロ州にある名ばかりの大学である。サントアンドレ大社会科学学部、カンピーナスPUC図書学部、サンターナ大情報学部、リンス大情報学部、ヴァーレ・ド・パライバ大機械工学学部、サンパウロPUC地理学部、イビラプエラ大化学学部、カンピーナス州立大演芸学部などである。名ばかりの学士でも、卒業証書が役立つこともある。
サンパウロ州にあり一流と見なされた学部は次の通り。私立大学では、カンピーナス大経営学部、ジェトゥーリオ・ヴァルガス大経営学部、Aペンテアード大経営学部、カンピーナス大の社会広報学部、グアルーリョス大教育学部、クルゼイロ・ド・スル大地理学部、FIAM・FAAM大音楽学部。
州立大学では、マリリア大の図書学部、サンジョゼ・ド・リオプレット大生物学部、ロレーナ大機械学部、バウルー大物理学部、アララクアラ大歴史学部、アラサトゥーバ大獣医学部、サンジョゼ・ドス・カンポス大歯学部、ソロカバ大歯学部、プレジデンテ・プルデンテ大教育学部。国立大学はサンカルロス大教育学部。
教育省は名ばかりの大学に九年間、法令により再起のチャンスを与える。学生側がボイコットしたり、指導に対応しない大学は、教育省綱領から外すという。しかし、私立大には経済的問題があるので、初めから採算無視で設立したのか一時的事情によるものかを区別する。
学校法人の認可取り消しに至るまでには、大学教育基本法(Sinaes)による三年毎三回にわたる九年間の検査がある。学科習得率(IDD)検査を三年毎に行い、学力の向上状況を診る。初回で成績が悪いと、責任者は念書を取られる。次の検査も悪いと、学生は入学試験の合格見直しまたは取り消しになる。
大学教育の検査システムは個々の学力ではなく、学生の平均学力で査定する。さらに平均学力は、学部から全学部へ及び大学の総合学力となる。Enade評価は、教育省が鑑定した大学の総合評価ともいえる。