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ドル安で不振の企業支援へ=開発銀行が特別融資=減・免税も実施の方向

2007年6月13日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】政府はドル安レアル高で打撃を被った企業に対し、支援策として特別融資を設定することになった。
 マンテガ財務相が十一日、明らかにしたもので、融資は社会経済開発銀行(BNDES)を通して行うもので、市内銀行よりも低金利、かつ返済方法が容易で長期に及ぶものとなる。融資は国庫庁の負担となり、ドル安で不振に落ち入った繊維、製靴、家具業界などを対象とする。
 これら業界では不況による解雇を避けるため人件費を主とした免税や減税を要求してきているが、政府は今回の融資と抱き合わせで、実施の運びにしたいとの意向を示している。同財務相は税制改革が難題だとしながらも、業界立ち直りに不可欠な要素だとの認識を深め、今週中には具体化したいとの考えを明らかにした。
 いっぽうでマルタ・スプリシ観光相は同日、同財務相を訪れ、ドル安による国内ホテル業界の窮状を訴えて救済を要請した。観光相はホテル業界が購入した備品(ベッドや冷蔵庫)の消却期間を短縮した上で、工業製品税(IPI)の返還の対象に組入れることを要請した。またIPI返還が十年単位となっていることに対し、二年ないしは五年にサイクルを早めるよう要求した。
 十一日のドル相場は、先週中銀が発表した市内銀行のドル取引規制強化にもかかわらず、〇・九九%安の一・九四一レアルで取引を終えた。四日間連続でドル高で推移したものの、反転して安値をつけた。十一日の取引開始直後に一・一五%安の一・九三七レアルまで下げたが、中銀の買支えにより、いくらか持ちこたえた。金融アナリストらは中銀の規制は投機筋の思惑取引の前では何らの功を奏さないとの見方をしており、ドル安に歯止めはかからないと指摘している。