2007年6月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四月三十日】伯米エタノール協定によるハイチ、エル・サウバドール、ドミニカ、サンクリストヴォン、ネーヴィアス五カ国のサトウキビ栽培指導に続き、米政府は中国を初めとするアジア地域での栽培指導にもブラジルに協力を打診してきた。
米政府エネルギー局のマニュエル担当官によると、ブラジルにはエネルギーに関し、とてつもないチャンスがあるという。キャンプ・デーヴィドの協定締結第二弾は、ラテン・アメリカに次いでアジアとアフリカである。世界各地から同協定に関する問い合わせが殺到しているというのだ。
伯米両国は、共同出資で世界中でサトウキビを栽培し、エタノールを生産しようという米国の構想である。米政府は、条件が揃っている国のランクづけを急いでいる。計画が先行しても即時開始とは行かない事情が伯米両国にある。米政府は、エネルギー極貧国援助として米外交政策の中へ取り込むことを関係者に説得する必要がある。
米政府の統計では、世界で電気のない生活をしている人が十七億人いる。中国の二〇〇六年エネルギー消費の増加分が英国の全消費量と同じだ。中国のエネルギー事情は、数々の問題を抱えている。国際経済のけん引車である中国経済は、莫大なエネルギーを必要としている。同時に環境問題も起こしている。
伯米両国は現在、エタノール世界生産の七四%を生産している。米国は五月早々、エタノールの国際基準を設定するためブラジルを訪れる。同時にエタノール関係の技術者も招集し、さらに生産効率の高いエタノール生産についても四回にわたって協議する。
エタノール対米輸出に課している関税は、まだ米政府の検討議題となっていないので協議の対象にしない。ブラジルのエタノール生産量が米国の消費を賄えるまでは、米国のエタノール生産者を戦略的に保護する必要があるからだ。それよりも伯米エタノール協定の発展に力を注ぎたいのが米政府の意向のようだ。