2007年6月13日付け
自分たちの足で移民の道をたどろう――。リベルダーデ歩こう友の会(高木ラウル会長)は、来年の日本移民百周年記念に、かつて移民が移動したサントスからサンパウロまでの道のりを歩いて巡る『移民百年の道ウォーク』を企画している。二〇〇八年六月十二日から十五日までの四日間をかけて、日本ウォーキング協会の会員ら約百人を迎え、笠戸丸が着岸したサントス第十四埠頭から、旧街道を登る。サンベルナルド・ド・カンポ市管内を経由して、サンパウロ市ブラス区にある移民博物館(旧移民収容所)を目指す。先週末の十日には、初日コースの下見が実施され、歩こう会の会員ら四十五人が、埠頭から旧街道の上り口までの約二十キロを歩いた。
『移民百年の道ウォーク』は、総歩行距離が約六十六キロ。コースには、交通量の多い箇所や治安の悪い場所をはぶき、移民に関わりのある場所を取り入れた。各地の日本人会(文協)に協力を要請し、来伯する日本人の歓迎会を開催してもらう予定だ。
歩こう友の会世話人の小笠原勉さんは「少しずつ形になってきました」と嬉しそうに笑う。日本側がどれだけ期待を寄せているか、を強調して、今後二日目、三日目の行程の下見も順次行っていくと話した。
今月二十三日には、国際歩け歩け大会に合わせて、日本ウォーキング協会常務知事の小久保茂昭さんと神田靖男さんが来伯。来年の同ウォーク全行程の下見を行う。
十日に行われたコースの下見には、サントス日本人会会長の遠藤浩夫妻が見送りに訪れ、奥山マリオ同会体育理事の先導のもと、四十五人が参加。休憩場所の確保や水分補給の方法など本番に向けての課題が検討された。
最高気温が三十六度にもなる快晴の一日に、歩き慣れていないサントスの街。「知らないところを歩くのは楽しいですよ」と意気揚揚と出発した会員らも午後には、何度も汗をふきながら旧街道上り口までの道のりを黙々と歩いた。
目的地に着き、日頃鍛えている会員らも「今日はよく歩いた」。最高齢八十七歳の高橋幸太郎さんは「まだまだ!」と笑顔を見せていた。
『移民百年の道ウォーク』の日程は次の通り。初日=第十四埠頭~旧街道登り口(二十キロ)。二日目=旧街道~アンシエッタ街道(二十キロ)。三日目=みずほ村日本人会会館、サンベルナルド・ド・カンポ市役所を経て、アルモニア学生寮(十五キロ)。四日目=イピランガ公園の独立記念塔を経て移民センター(十一キロ)。