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移民百周年をカーニバルで=ヴィラ・マリアが正式決定=山車等を6月祭典にも活用

2007年6月13日付け

 「イラッシャイマセ!」。そんな絶叫が、来年のサンパウロ市カーニバルを中継するグローボTVから全世界に流れそうだ。今年二月のサンパウロ市カーニバルでは豪華なパレードを披露しながらも二位に甘んじたサンバ校ウニードス・デ・ヴィラ・マリアが、来年は日本移民百周年をテーマに優勝を目指すことを宣言している。
 ニッケイ新聞の取材に対し、同チームのセルジオ・フェレイラ会長は、来年は三百万レアル(約二億万円)を投じて「絶対に優勝をする。今までで最高のパレードを約束する」と意気込んだ。
 カーニバルで披露されるカーロ・アレゴリコ(山車)の一部、打楽器隊、パッシスタ(ダンサー)四百人、衣装などが、来年六月の百周年祭典当日の移民パレードでもそのまま使えることになった。その協力関係を明記した文書が、五月十日に百周年記念協会と交わされた。
 これで祭典本番の目玉の一つが固まったといえそうだ。百周年協会としては資金協力こそできないが、松尾治執行委員長は「人物の紹介や移民史に関するアドバイスなど、お互いに協力体制を作ってやっていく」としている。
 フェレイラ会長によれば、来年のテーマは「イラッシャイマセ、移民百周年における文化と智慧の千年期」で、五台の山車を間にはさんで四千五百人がディスフィーレする予定。「〇五年からこのアイデアを温めていた」。
 古い日本とその習慣をモチーフにした行列を先頭に、移民の始まり、日系社会の広がりなどを順々に描いた構成になるという。「日系人が参加するスペースを確保している」とし、いずれ始まるエンサイオ(練習)への参加を呼びかける。
 同チームでは、これから企業などに資金協力を依頼してまわる予定。このテーマの公式発表を六月中に行い、それに基づいたテーマ曲の選考を八月から始め、十月三日に最終決定する。
 同チームの創立は一九五〇年(正式登記は五四年)と伝統があり、特に一九九八年からは破竹の勢い。同年にグルッポ2で優勝して昇格し、〇一年にはグルッポ・アセッソで優勝、〇四年にはサンパウロ市最大を誇る現在の練習場を建設し、六位を飾った。
 〇二年にカルナヴァレスコ(総監督)に就任したバギネル・サントス氏も、この上昇機運を支える一人。今年は二位となり、いよいよ優勝に王手をかけたところで、日本移民百周年をテーマに選んだ。
 十年前には最多優勝チームとして有名なVAIVAIが、移民九十周年をテーマに見事優勝しただけに、今回も可能性は大いにありそうだ。
 フェレイラ会長は「このディスフィーレにより、百周年がブラジル全土に知れ渡るに違いない」と保証する。さらには、グローボTV局の国際放送を通じて世界にも中継されるため、その広報効果は計り知れない。六月の本番を前に、絶好の前哨戦となるだろう。