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基本金利年12%に引き下げ=低インフレ、レアル高を反映

2007年6月9日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】中央銀行の通貨政策委員会(COPOM)は六日、基本金利(Selic)を〇・五ポイント引き下げ、年一二%に決定した。
 今回の引き下げは二〇〇五年九月以降連続十六回目、累計七・七五ポイントの低下となった。同委員会は会合後、「マクロ経済、インフレ見通しを考慮して委員の賛成五、反対二で基本金利の年一二%への引き下げを決定した」との声明を発表した。
 六日の決定は金融市場で多くのエコノミストが想定した範囲内だった。前回の会合では賛成三、反対四の僅差で〇・五ポイントの引き下げが見送られていた上、その後低インフレ、正規雇用増加、カントリーリスクの低下に加え、レアル高が加速したため、引き下げ幅の拡大が期待されていた。
 中銀元理事のフレイタス氏は、過去二年間の金利引下げペースが遅すぎるとして、COPOMは今後四回に渡り同じく〇・五ポイント引き下げ、年末にSelicは年一〇%となる可能性を示唆した。今年一月にマンテガ財務相は今年末のSelic予想を一二・二%と発表していた。中銀が四日に発表した金融機関の調査に基づく今年のインフレ予想は三・五%で、実質金利も現在の八・五%から年末には六%台に下がるとの予想も出始めている。
 Selic引き下げに伴い、個人・法人向けの貸し出し金利をそれぞれ引き下げた。また、ポウパンサ預金の金利も月利〇・六五%へと引き下げられ、DIファンドなど手数料が年二・五%以下の投資信託に対し競争力を失った。