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基本金利の大幅引き下げを=業界の期待高まる=工業生産、半年ぶりの減少

2007年6月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】四月度の国内工業生産が前月(三月度)比で〇・一%減少したことを受けて、業界では基本金利(SELIC)の大幅切り下げを期待する声が高まっている。
 折しも六日に行われる通貨政策委員会(COPOM)で切り下げ率が議論されているが、これまで〇・二五%の小幅切り下げが大勢を占めてきたのに対し、〇・五%の大幅を期待している。これにより年利一二%となる。
 ブラジル地理統訂院(IBGE)が五日に発表したところによると、四月度の工業生産はこれまでの六カ月連続の増加に終止符を打ち、前月対比〇・一%の減少となった。これにより業界の中では景気のかげりと見る向きが一部あるが、大半は上昇気運の流れの中での「一段落」の小休止ととらえている。
 IBGEによると前月比で減少を見せたものの、昨年四月度対比では六%の増加となっており、過去二年間で最高の伸び率となっているとのこと。また今年四カ月間の成長率の平均は四%で、過去二年間の平均の三%を上回っている。
 四月度の生産減少は部門別では食料品(マイナス一・九%)、化粧品および洗剤(同五・七%)、電気通信(同三・四%)、石油製品(同一・二%)に代表された。中でも電気通信は今年の累計で昨年対比一四・一%の減少となっている。
 これは携帯電話の需要の伸び悩みで一二・九%となった。さらにテレビなども一四・八%の減少となった。テレビの場合は需要の落ち込みではなく、昨年のサッカーのワールドカップで爆発的な販売を見せたのが挙げられている。いっぽうで資本財も四月度は前月比一・二%の下落となったものの、昨年同月比では十七・四%増、今年四カ月間の累計では一五・四%増となっており憂慮の対象にならないとの見方をしている。