2007年6月7日付け
日本では、今年から大量に「団塊の世代」が定年退職すると話題になっているが、日系社会にも「ダンカイ世代」がある。一九三二~三四年が圧倒的に多く、三年間で六万一千人。二十五万移民のうち、実に四人に一人はこの「ダンカイ世代」に含まれる。ちなみに戦後移民は五万四千人だから、それよりもダンカイは多い▼〃世代〃とは言っても、日本のように何歳から何歳までの世代とは言えない。ただし、「サントスでヨーイドンで始まった」のが移民の人生だとすれば、今年はダンカイが渡伯して七十五年目となる▼当時、若夫婦だった世代が生きていれば九十五歳から百歳、その子供である「ダンカイ・ジュニア」が当時十歳なら現在は八十五歳、三歳だったら七十八歳になる。ここ十年、二十年の動きを見ているとコロニア文芸界やゲートボール界など、このダンカイ・ジュニア世代=準二世が、かなりの部分を牽引してきた。文協の上原会長(79)は九歳の時に、親に連れられて移民した、この世代の代表ともいえる▼実は戦後移民にもダンカイ世代は存在する。一九五六~六〇年の約三万人だ。戦後の五五%はこの五年間に集中している。五六年に二十歳だったら、今は七十一歳になっている▼現在の文協や百周年の中核を担っているのは、準二世および同年代の二世連合軍(六十代後半~七十代)だ。選挙時に顕著に現れる対抗勢力は、戦後移民(六十代後半~七十代前半)という構図だった。数年来見られるこの図式は、この世代論から見ると、戦前と戦後のダンカイ対決だったのかもしれない。(深)