2007年5月30日付け
丸紅ブラジル会社の中村純一社長(58、山口県)が帰朝することになり、後任の前田一郎氏(55、兵庫県)とともに二十八日に来社した。
中村氏が着任したのは〇三年七月。任期中には東京と一緒になり、エンブラエル社の小型ジェット旅客機E170をJAL(日本航空)に販売する契約を取りまとめた。確定十機に加え、追加購入オプション五機の契約だ。
この件が日伯で大きく報道されたことは記憶に新しい。今でもブラジルといえばコーヒー、サンバ、サッカーのイメージが強い中、両国関係の新時代を象徴するような取引だった。
さらに今年二月にはアグレンコ社に四千万ドルを投資する形で、バイオディーゼル工場をマット・グロッソ州、南マット・グロッソ州、パラナ州の三カ所で、来年早々にも稼働させる交渉をまとめるなど、時代の波に乗ったビジネスを展開させてきた。
この四年間を振り返り、中村氏は「ブラジルは底知れない可能性を秘めている。資源という人がいるが、私は水と気候が最大の可能性だと思う」との持論をのべた。インド、中国、ロシアに比べて水と気候が「キチンとしている」と強調した。中村氏は六月十二日頃に帰朝する予定。
ブラジル赴任三度目の前田氏は前回(八二―八八年)に比べ、「激変。大変良くなっている」との印象を持っている。「もっといろんな分野で積極的な投資をしたい。ビジネスチャンスは非常に多い」との抱負を語った。
丸紅は、南米ではコロンビア、ベネズエラ、チリ、ペルー、アルゼンチンにも支店を設置している。南米の取引量は全社の五%程度。前田氏は「もっと増やさなくてはいけない。まだまだ伸びるでしょう」との意気込みをみせた。