2007年5月22日付け
ゴイアス州トリニダーデ市在住の日本人技術者、沖上孝夫さん(76)がこのほど、ゴイアス州名誉州民章を受けた。州内における農業や家具工業の発展に寄与した功績が認められたもの。四月十六日夜、州議会で授与式が行なわれ、ジャルデル・セーバ州議(PSDB)からプラッカが手渡された。
沖上さんは一九三二年四月三日京都生まれ。五四年に東京農業大学を中退、同年六月、力行会を通してブラジルへ移住した。サンパウロ市内の薬化学研究所で働いた後、ゴイアスに移住。五八年からトリニダーデ市近郊の農場で果樹栽培の傍ら、ピンガ工場、製木所、陶器製造工場を運営した。
六七年に同市内に移り住んだ後は、農業機械などの修理工場を、七五年から現在まで同市内で家具工場を経営する。近年は後継者の育成や数百年前の家具の修理に携わっている。三人の息子と九人の孫がいる。
授与式では、地元議員に付き添われて議会に入場。マルコニ・ペリーリョ上院議員(PSDB)は「この議会とブラジルの軌跡に新たな歴史が刻まれた」と賛辞を送った。
同氏の息子は演説で「父が受けた賞は移民の人たちに対するものでもあり、トリニダーデ市の温かい人間性によるもの」と謝意を表わした。
沖上さんは今回の受章にあたり、「この長い長い生き様が州の人たちに認められたものだと思って感謝しています。残り少ない人生ですが、これからも州民の人々のためにできるだけの貢献をしていきたいものと毎日がんばっております」と喜びのコメントを寄せた。