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GMトウモロコシ販売を許可=バイオ技術委=9年間の議論の末=安全法制定以来の初解禁=安全委で合法性審議へ

2007年5月18日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】バイオ保全技術委員会(CTNBio)は十六日、九年間にわたり販売の是非が議論された遺伝子組替え(GM)トウモロコシについて表決を行い、賛成十七票、反対四票で販売が許可された。除草剤への抵抗力が強いGMトウモロコシは、バイエル製薬によって開発された。CTNBioの許可は、さらに国家バイオ安全委員会の審議に掛けられ、法的側面から検討される。バイオ安全法が制定されて以来、初めてのGM植物解禁であり、ようやくGM農産物が市民権を得られることになりそうだ。
 バイエル社は一九九八年、同社が開発した除草剤(グルフォシナット・デ・アンモニオ)を散布しても枯れないGMトウモロコシ・リバーティリンク種子の市販許可を申請していた。バイオ安全法の制定は二〇〇五年。翌年二月にCTNBioが立ち上げられ、同法が正式に適用された許可第一号である。
 CTNBioのコリ委員長は、最終的に表決に至ったことに満足の意を表した。賛成とも反対ともいえないが、GMは一つの方法論だという。植物生命の聖域に人間が入り、手を加えることの是非は議論が尽きないし、微妙な問題でもあると同委員長は述べた。
 今回の表決で反対四票を投じたのは、環境省と農地改革省、水産省、小農者団体の代表らである。CTNBioには、GM許可申請書がさらに一〇通提出され、表決待ちである。トウモロコシの他に栽培が許可されたGM大豆やGM綿、ラウンダップ・リーディの市販許可も決定らしい。
 CTNBioの決定は官報で公布されるが、関門がもう一つある。ロウセフ官房長官を座長とする国家バイオ安全委員会が、関係閣僚十一人を召集して合法性を審議する。この時点でGMのCTNBio許可を承認するか、政治及び社会経済の観点から合法性を再検討するかが決まる。
 GMに反対の検察団は、反論の理由が見あたらなくても論争を中断し、抗弁のチャンスを保留した。検察団は異議申し立て書を提出したが、CTNBioによって内容の法的根拠が評価されなかったと不服を訴え、表決の無効を求める考えらしい。
 GM反対の急先鋒は環境省だ。バイエル社のGM販売許可申請書には、GMが環境にもたらすインパクトが欠落しているという。CTNBio技術陣が、環境へのGMインパクトは近代科学でまだ未解明な部分があると述べた。
 先進国が一部を除いてGMで前進するなか、農業大国ブラジルが傍観することはできないとGM関係者はいう。GMのモンサント社は、害虫に強いGMトウモロコシBtの販売許可を申請した。すでにGM大豆や綿の種子の栽培は許可され、広く普及している。
 ブラジルの農業にとってGMは欠かせないものとGM各社がいう。ブラジル農業の未来が今、GMに賭ける大切な時期にあるというのだ。販売許可が順調に出ればブラジルは二〇〇八年にもGMが席巻し、GM農産物の世界的傾向が動かないものになると関係者はみている。