2007年5月18日付け
ブラジル日本移民百周年記念協会が登録申請していた免税口座団体(OSCIP)「日伯社会文化統合機関(Instituto Brasil-Japao de Integracao Cultural e Social)」が四月、連邦法務省の認可を受けた。寄付・募金の受け皿団体ができたことで、同協会では今後、ブラジル社会に向けた日本移民百周年の広報を加速させていく考えだ。今月十日には、同協会の中矢レナート財務委員長がブラジル日本商工会議所の定例昼食会で「移民百周年事業への協力・贈与の紹介」として同団体を紹介。二十五日には百周年事業の説明を目的とした伯メディア向けの会見も予定されているなど、九十九回目の移民の日を前に、来年に向けた動きが活発化しつつある。
百周年記念協会が、百周年のイベント・行事を計画、実行するにあたり、そのための資金の受け皿となる免税口座団体(OSCIP)が「――統合機関」。
OSCIPへの団体登録は昨年末から手続きされてきたが、今年四月十日、ブラジル国法務省が公益民間組織 として正式に認可。官報に掲載された。
同団体は、日本移民百周年に関連するイベント・行事への資金協力を実施する民間企業に対し、収税ベネフィットを与えることができる。
百周年協会の口座では、企業からの大型寄付を受け取っても、そこから二割以上を所得税に取られるが、「――統合機関」を通して受け取る場合は、所得税などを引かれることなく、全額を協会が行うイベントや行事にまわすことが可能になった。
さらに、OSCIPを通しての寄付では、贈与側にも利得がある。
営業利益の二%までの寄付金額は、会計的に経費として計上できるため、課税利益がおさえられる分、地所得税額を減らすことができるからだ。
言い換えれば、OSCIPでない団体に寄付するのに比べ、寄付金を渡せるだけでなく、自社利益への課税も減る計算になる。
一例を挙げると、営業利益百万レアルに対し二万レアルを寄付した場合に、OSCIPでない団体に寄付すると課税利益が百万レアルだが、OSCIPであれば、課税利益は九十八万レアル。
各種税金総額(三四%)は、OSCIPでない場合に三十四万レアル、OSCIPの場合に三十三万三千二百レアルとなり、課税後利益は順に、六十四万レアル、六十四万六千八百レアルと差が出る。
差額六千八百レアルは、二万レアルの三四パーセントにあたり、OSCIPに寄付した場合には、寄付金額の三四パーセントが、贈与側に残る計算となる。
二十五日に予定されている記者会見は、日系メディアだけでなく、広くブラジル全体のマスコミを対象にしたものになる見込みだ。同協会では、OSCIPの説明に加え、百周年事業についての広報も行なう予定だという。
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なお、百周年記念協会財務委員会の会計報告は、ホームページ(www.centenario.2008.org.br/financas)で公開されている。