2007年5月16日付け
【ヴァロール紙四日】世界は今、選手交代の時期に差し掛かっているらしい。ブラジルは国歌が謳うように豪華なベッドに横たわる巨人だが、眠っているのか永遠に眠り続けるのかと国連貿易開発会議(Unctad)のリクペロ・ブラジル代表が嘆く。
八五四万平方キロメートルの国土は、途上国のパワーを象徴する。しかし、ブラジルがひんぱんに顔を出すのは世界貿易機関(WTO)だけで、世界が危機に瀕するような重大事には遠慮して発言しない。
ブラジルは農業大国であるが、テロ、過激派、核拡散防止条約などについては余り発言しない。ブラジルは新しく参加する選手の一人として、世界が活躍を期待している。ブラジルも直接または間接的に、テロと付き合うことになる。
選手交代劇はブラジルに、国際舞台の主役として登場する大きなチャンスをもたらす。ブラジルは、地球温暖化や環境問題で重要な役目を担っている。ブラジルの発言次第で環境問題が、右にも左にも行く。アマゾン熱帯雨林は生態系の宝庫であり、世界最大の淡水量を有する。それを管理するのがブラジルだ。
エタノール生産国としても、ブラジルは一目置かれている。地球温暖化とブラジルの重要性は、二人三脚である。米大統領がガソリンの消費削減といえば、ブラジルへ飛んできた。具体的な協定はなかったが、喉から手が出るほどエタノールが欲しいのだ。
これはブラジルに開かれたチャンスの窓である。専門家はブラジル人の物の考え方を変える必要があるという。ブラジルは軍政時代から先見の明があったのだ。この先見の明はECO92で世界から認められたようだ。
しかし、ブラジルはその先を行くべきだ。気象対策の見直しを訴えること。ブラジルはこれまで、二酸化炭素排出量の削減に消極的であったが、環境対策の一歩先を行くこと。ブラジルは、前時代的左翼から近代的左翼へ変身し、諸問題に取り組むことだ。