2007年5月12日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】九日に来伯したローマ法王ベネディクト十六世は十日朝、バンデイランテス宮(サンパウロ州知事公邸)でルーラ大統領、セーラ知事らと会談し、法王庁とブラジル政府が相互協定を締結するよう大統領に要請した。
協定書は昨年十月に法王庁が提出していたもので、カトリック教会と神父との雇用契約の否認、公立学校での宗教教育の義務化、伝道師の旅券取得への便宜、インジオ保護区での布教の許可を求めている。中絶禁止は含まれていなかった。
マシャド駐バチカンブラジル大使によると、法王は自身とルーラ大統領の在任中に協定への署名を望むと表明したという。ブラジル外務省は協定が政教分離の原則に反するとみなし、大統領は、ブラジルが世俗国家であり、宗教は精神と社会の問題に取り組むための道具であると述べ、協定締結を間接的に断ったとみられている。
ルーラ大統領は、地球温暖化防止に加え貧困と失業減少にもつながるとして、アフリカ諸国でのエタノール生産と消費の推進への協力を求め、法王は注意深く耳を傾けた。会談は三十分近くに渡って続いた。
法王は同日夕方、パカエンブ競技場に移動し、教会が事前に選んだ四万人の若者と交流した。若者らが中絶反対を連呼する中、法王は演説で倫理問題に触れ、結婚、家族、そして純潔の重要性を訴えた。また、アマゾン地方の森林伐採を非難した。