2007年5月12日付け
来年の「日伯交流年」に向けて日本側実行委員会が行なっている認定事業の募集で、四月現在、十八の事業がすでに認定を受けていることが分かった。内容も、文化事業や講演、メディア関係から、食品関係まで、幅広い事業が挙がってきている。募集開始から約三カ月。日本側でも着々と、関係者が動き始めているようだ。
今年二月に始まった日伯交流年認定事業の募集は、原則〇八年の一月一日から十二月三十一日までの間に日本またはブラジルで実施される事業を対象にしたもの。
「事業の内容が、日伯間の経済、社会、芸術、学術、スポーツ、観光等の幅広い分野における交流の促進、相互理解の増進、友好関係の強化に資すると判断される」ことや、「事業内容が明確で、実現可能性が高いこと」「事業実施の経費は主催者が一切の責任を負う」ことなどが基準となっている。
外務省のホームページによれば、四月四日現在で認定された「日伯交流年」事業は十八事業。うち文化関係が八事業、メディア・広報関係として四事業が出されている。
文化関連事業の中では、昨年のパラグアイ移住七十周年でも公演した民族歌舞団「荒馬座」の公演(〇八年三月)、東京交響楽団によるブラジルツアー(同八月)、邦楽団体の「和文化交流普及協会による公演(六月)のほか、ヨーロッパを中心に日本の舞台を発表している「日欧舞台芸術交流会」によるシェイクスピア劇「から騒ぎ」の公演(十月)や、中にはブラジル移民記念映画の制作も企画されているようだ。
また、(財)ライフ・プランニング・センター「新老人の会」会長の日野原重明氏(聖路加国際病院名誉院長・理事長)による講演(九月)や、文化交流祭、友好合唱祭、(財)国際平和機構による「日伯交流フェスティバル」(五月)などの計画が認定。芸術関係でも、日伯両国で移民百周年を記念したモニュメントを製作・展示する事業が出されている。
広報関係では、在日ブラジル人向けメディアの「アイピーシー・ワールド」が日伯交流年の公式ウェブサイト設置を企画しているほか、日本でブラジルのFMラジオ「Transamerica」を放送する「ヴォイクスジャパン㈱」、国際交流基金などが広報・関連イベント紹介などを実施。ツニブラトラベルからはブラジル紹介パンフレットを作成する企画が認定を受けている。
変わったところでは、記念コーヒーの発売も。社長の上島一泰氏が在神戸ブラジル名誉領事をつとめるウエシマコーヒー社で、移民百周年を記念したコーヒーギフトセット「日本人ブラジル移住100周年」記念コーヒーセットを二〇〇八年を通して販売するという。