2007年5月10日付け
ブラジル日本文化福祉協会、インスティツット・パウロ・コバヤシ、伯日青年会議所主催による「子供の日」のイベントが五、六両日、イビラプエラ公園の日本館で行われた。
日本政府の文化無償により一新した展示室には在サンパウロ日本国総領事館と文協の所蔵品が並んだ。この中には金閣寺や清水寺、姫路城などの日本の有名な建築物のミニチュアのほかに五月人形や鎧、兜、お御輿などもあった。
体験作業の一つでは、子供たちが漫画の絵の書き方を教わり上手に書けるように練習していた。会場ではまた、和太鼓や剣術(居合術、杖術、剣道など)の鑑賞会も実施され、真剣を用いての居合抜きや立ち回りなどが披露されると、会場中に驚きと歓声の声が響き渡った。
会場には、非日系の来場者も多く見られ、日本の文化や習慣への関心の高さを感じさせた。
同イベントを訪れていた大橋重夫さん(71、サンパウロ市)は「今日は子供の日だから孫と一緒に遊びに来た。何回も来ているが今回鯉が多くなっていることに驚いたし、展示室のお御輿が印象的だった」と楽しそうに話していた。
三日夜に行われた「子供の日」のプレイベントには上原幸啓文協会長、野末雅彦JICAサンパウロ支所次長、関根隆範全伯講道館柔道有段者会常任理事長ら日系社会関係者約八十人のほか、ウィリアム・ウー連邦下議も出席。日本館の歴史をまとめた本のランサメントも行なわれた。
上原会長はあいさつで「文協と総領事館の協力で展示室を新しくすることができたことに感謝し、この(日本館の)本ができたことを嬉しく思う。今日のこの会は来場者の皆さん、会を支えてくれているスタッフの皆さんのおかげで成り立っています」とこの日を待ち望んでいたような顔で述べた。
今回のイベントを指揮していた伯日青年会議所インターナショナル副会長のロベルト・セキヤさんは「文協と総領事館が貸してくれた所蔵品の扱い方を学び、文化についても学ぶことができた。日系との繋がりは必要なことであり、これからも日本文化の紹介を続けて行きたい」と満足した様子を見せる。その一方で「展示物の文化的意味はまだよく分っていませんが」と照れながら付け加えた。