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コラム 樹海

2007年5月10日付け

 エスピリット・サント州サンタレオポルジーナ市は今年創立百五十周年を迎える。一八五七年、サンパウロ州ウバツーバの農場から連れてこられたスイス人とドイツ人からなる百四十人の入植団が草分けだ。オーストラリア人、オランダ人、ポーランド人などが続き、計一万二千コロノが導入された。当時最大の〃王立〃植民地の一つだったという▼地元紙ガゼッタによれば、この五月一日に、隣町サンタテレーザとの間の三十キロを歩く第四回「移民の道」が行われ、約二千人が先達の苦闘に想いをはせた。この催しは、〇四年にイタリア移民百三十周年を記念して始められた。最初の参加者は千人だったが、翌〇五年には千五百人と増えてきた▼このサンタテレーザは一八七四年、イタリア北部からの移民が最初に集団入植した植民地だ。この入植をもってイタリア移民百三十周年となっている▼サンタレオポルジーナに似た名前に、南大河州のサンレオポルドがある。こちらはドイツ移民最初の植民地として有名で、一八二四年七月二十五日に三十九人のドイツ移民が同地に到着した。その日を記念し、〇三年に市条例で「ドイツ移民の日」となった▼弊紙編集部の記者がその町を訪れたとき、地味ながら堂々たる百周年記念塔に目を奪われたという。同地の百年祭は今から八十三年前だ。さらに移民史料館に入ると、ドイツ系子孫の館長がドイツ語をペラペラしゃべっていた▼その記者は「我がコロニアではどうか」と考え込んだという。移民の先達にとって百年祭はすでに過去のものだ。日本移民百五十周年には、何が残っているだろう。(深)