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七夕祭りは誰のもの?=宮城とACAL=すれ違う両者の主張=混乱するスポンサー=宮城はルアネー法適用へ

2007年5月9日付け

 【既報関連】七夕祭りをめぐる宮城県人会(中沢宏一会長)とACAL(リベルダーデ文化福祉協会、池崎博文会長)の対立は、想像以上に根が深そうだ。七日、ACAL役員が、宮城県人会への通告書送付に関して報道関係者に会見。歩み寄りへの期待を見せながらも、宮城側が祭りに関する両団体の役割分担を定めた〇二年の協定書を守っていない点を非難した。さらに会見では、宮城が単独で連邦文化省のルアネー法(企業が文化事業に所得税の一部を当てることが出来る寄付免税制度)適用を申請、認可を受けていたことも明らかになった。
 宮城県人会に送付された通告書は、「Sendai Tanabata Matsuri」の名称はACALにより国立工業所有権院(INPI)に登録されており、使用に当たっては同協会の許可が必要というもの。
 ACAL側の説明によれば、通告書の送付は、これまでの七夕祭りが三十年近く宮城主催・ACAL協賛の形で続いてきたものを、今年は協賛から外し、宮城側がそれまでACALの担当だった行政などとの交渉を独自に行い始めたことがきっかけとなっている。
 七夕祭りは一九七九年の開始当初から、双方の役割分担として、宮城県が七夕飾りの製作、設置などを、リ商工会が行政やショー出演者との交渉、宣伝・広報などを担当してきた。
 しかし、近年になってそれぞれの会長も変わり、分担があいまいになってきたとして、二〇〇二年六月、あらためて両団体の役割分担を定めた覚書に署名。
 同文書では、「祭りの主催は宮城県人会、宣伝(Promocao)はACALが担当する」「開催にあたっては両団体五人ずつによる委員会を設置する」「七夕短冊の販売は宮城が行う」ことなどが定められ、中沢会長、網野弥太郎ACAL顧問など九人が署名している。
 しかし今年は、ACALより先に宮城が市役所との交渉を〃独断専行〃する形で開始。独自に担当者を派遣したほか、スポンサーとの交渉にも宮城とACALからそれぞれ訪れ、スポンサーが困惑するという異常事態が起きている。
 両団体は三月に、今年の七夕祭りに関する第一回の委員会を開催している。出席したACAL役員によれば、その席上、中沢氏から、今年は宮城が独自に実施する旨の説明があったという。
 こうした展開について、ある関係者からは、「現在宮城会長に専念している中沢氏がどんどん企画を進めようとするのに対して、ACALの動きが遅く、手をやいていた」とする指摘もある。
 委員会はその後、四、五月に一度ずつ開かれたが、両者の歩み寄りはなかった。それに加えて、宮城県は従来ACALの担当だった宣伝用パンフレットも独自に作成。さらに今年の「第二十九回サンパウロ仙台七夕祭り」へのルアネー法適用を申請、すでに金額枠八万二千五百レアルの認可を受けていることも発覚した。
 〃ACALはずし〃とも取れる現在の状況は同協定書の範囲を逸脱している、と同協会は主張。例年通り両団体による委員会が運営にあたることを求めている。
 今回の通告書送付について、ACAL側の七夕祭り委員長、宮村誠同第一副会長は「できれば使わずに、委員会の中で問題を解決したかった」と話す。池崎博文会長も、「リベルダーデ以外でやるのであれば文句はないが、僕らの庭でいきなり『我々のもの』と言われても納得いかない」と強調する。
 また中沢会長が七夕飾りや竹の設置を宮城だけでやっていると主張していることに対しても、「ACALも竹の切り出しや運搬に参加している」と反論。「ACALも宮城もない。皆が仲良く働ける祭りの雰囲気を作ることが必要ではないか」と、宮城側の〃独走〃を批判した。