ホーム | 日系社会ニュース | シズオカ・サンバ カーニバル=〃日伯のカベ〃除去に効果大=2日間、静岡市中心商店街で=県外からも実力派チーム=踊り手200人=80%が日本人

シズオカ・サンバ カーニバル=〃日伯のカベ〃除去に効果大=2日間、静岡市中心商店街で=県外からも実力派チーム=踊り手200人=80%が日本人

2007年5月8日付け

 【静岡発=池田泰久記者】GWシーズンにおける静岡市の恒例イベント「シズオカ・サンバカーニバル」(久保耕介実行委員長)が今年も三、四日の両日、同市の中心商店街で開催され、華麗な衣装をまとったダンサーたちがバテリアの軽快なリズムにあわせて華やかな踊りを披露し、多くの市民客を楽しませた。
 同カーニバルは、地元商店街のボランティアが中心となって八年前から毎年開催。昨年から開催期間を二日に延ばし、地元企業や市、駐日ブラジル大使館の協力を得て実施している。
 今年は静岡・浜松の地元チームをはじめ、東京浅草に本拠地を構える伝統チーム「バルバロス」や浅草サンバ・カーニバルの第一次リーグで活躍する埼玉の実力派チーム「アレグリア」など、県外を含めて四チーム約二百人が参加、その内約八割を日本人が占めている。
 カーニバル開催のそもそもは、同商店街で婦人服店を経営する久保さん(48)が浅草のサンカーニバルを見たのがきっかけ。かねてからブラジル音楽に関心が深かった久保さんは「静岡でもぜひサンバを」と商店街のメンバーに呼びかけ始まった。
 準備と運営には毎年百人以上のボランティアが参加。第一回開催時は「バルバロス」一チームを招待しただけだったが、地元サンバチームを加えて年々に規模を拡大、今年は過去最高となる十四万人の観客を動員することができた。
 久保さんはサンバのリズムを楽しむ多くの市民を笑顔でみつめながら、「みんなが知っているサンバを通して犯罪面などが強調されがちなブラジルについて、もっと多くの人が関心をもってもらえたら嬉しい」とその意義を強調した。
 「今日のサンバを通して日本の人にポジティブなエネルギーを分けることができたと思う」と行進のあと汗を浮かべて話したのは「エスコーラ・ジ・サンバ・ハママツ」の代表、大谷エヴェルソンさん(34、日系三世、サンパウロ州サンカルロス市出身)。八年間日本に暮らし六年前に浜松市で同チームを立ち上げた。
 大谷さんは来日当初、日本人とブラジル人の間にある壁を感じたと話す。しかし今では自身のチームを通して、「国籍を超えて心から信頼できる家族のような関係が日本人とブラジル人の間にでき、偏見もなくなった」と笑顔で語った。
 また同チームのダンサーで、日系人との結婚を機に日本で十二年間暮らすアレッサンドラ・イイジマさん(マット・グロッソ州クイアバ市出身)は、「毎日仕事場と家との往復ばかりだけど、今日はたくさんの人の前で気持ちよく踊ることができ、とても楽しかった」と満足した様子だった。