2007年5月8日付け
ブラジルの算数教科書の入手や教育事情調査を兼ねて帰郷中の、群馬県太田市でバイリンガル教師をする末永サンドラ輝美さん(32、三世)に、日本の外国人子弟教育先進事例といわれる同地区の様子を聞いてみた。
公立の太田小学校を拠点に、外国人生徒の勉強を手伝っている。「私自身が日本の小学校は初めてだったので、子供たちと同じように異文化を感じた。まずそれが大変だった」と振り返る。日本語に不自由はなくとも、日本の職場環境に適応するのは別のようだ。
アラサツーバで生まれ、同地のモデル校での日本語教師を経て、早稲田大学大学院で「ブラジルの日本語教科書」をテーマに修士課程を終えた。さらに同校で外国人留学生向けに日本語教育にも半年たずさわり、昨年四月から太田市教育委員会に現職で雇われた。一年ごとに更新する契約。
日本では珍しいバイリンガル教員という制度に関して、「成果は上がってきていますが、もっと高校進学者がでてほしい」と期待する。「ブラジルでは日本語だけを教えていれば良かったが、今は教科も。まだまだ勉強です」と微笑む。
長期休暇を取って去る三月二十五日に帰伯したのを利用して調査をしたほか、国外就労者情報援護センター(CIATE)、デカセギ支援団体ISEC、ブラジル日本語センター、日伯文化連盟、JICAなども訪問した。