2007年5月8日付け
来年の移民百周年のプレイベントとして、野球の代表選手団が今月訪日し、日本各都県の高校選抜チームと親善試合を行う「日伯親善高校野球大会」が開催される。一九六三年が第一回目、移民八十周年(八八年)、移民九十周年(九八年)に続き、今回は四度目だ。
主催団体である日本高等学校野球連盟(高野連=脇村春夫会長)と朝日新聞(秋山耿太郎社長)の招待状が二月に、ブラジル野球連盟(大塚ジョージ会長)へ届いている。
代表選手団(沢里オリビオ団長)二十六人は、五月九日から二十日まで日本に滞在する。まず早稲田大学との合同練習を二日間行い、十二日からは群馬、茨城、福島、岐阜、三重、東京の各都県選抜との八試合に臨む。
各地への移動途中に日本の名所(富士山や伊勢神宮など)を観光しながら過密スケジュールをこなす。日本での諸費用等は同新聞社と高野連が負担。
代表選手の大半は日系人(うち非日系人が三人、混血が五人)で十六歳から十八歳の十八人だ。
沢里団長は「これを機にブラジル人選手が日本の甲子園大会や実業団、プロ野球などで活躍するようになるのではと期待している。野球の勝敗は二の次で、日伯の交流と野球交流を目的としている」と将来に希望を膨らませて交流ムードを盛り上げる。
ただし、「監督は全て勝ちにいくと考えているでしょう」とし、あくまで試合は真剣勝負で望む心構えであることをあかした。
同代表団の選手は国際大会に参加したことのある選手ばかり。今回の注目選手はオスカル・マサキ・ナカオシ投手。チーム唯一の左腕投手で、多彩な変化球とコーナーを丁寧につくコントロールが持ち味。日本の選抜チームをいかに抑えるかが楽しみ、という。
過密スケジュールのために雨天の予備日は一日しかない。前回の九八年は、一日だけ朝からずっと雨が降り続き、外では試合ができなくなった時があり、高野連の判断で急きょ試合会場を探し、東京ドームで試合を行ったこともあった。沢里団長は「ブラジルではドーム球場がないために代表選手たちは良い経験をした」と懐かしそう。前回の親善試合は三勝三敗一引分けと五分五分の試合。今回はどうなるだろうか。