2007年5月5日付け
百周年をスタートに農業面での関係促進を――。松岡利勝農林水産大臣(衆議院議員、熊本第三区選出)が来伯、三日、サンパウロ市のグラン・メリア・モファレッジホテルで会見した。
同大臣の来伯は四回目。二日に着聖後、日系団体代表者と懇談、三日は熊本県人会関係者と懇談したほか、サンパウロ州スマレー市にあるホンダ社フレックス自動車生産工場を視察した。
会見で大臣は、エタノール活用に関して、ブラジルは最進国と位置付け、「地球温暖化に対処するためにも、早急に取り組まなければいけないと決意を新たにした」と視察の感想を述べた。
また、日本がガソリンに混合するエタノールの割合を三%としていることについて、ブラジルメディアから引き上げの可能性について聞かれ、「日本は遅れており、早く認識を変えねばならない」と応じ、積極的に活用できるか検討したうえで、「一〇%への引き上げを目指したい」と話した。
先月三十日に新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の農業自由化交渉のためスイス・ジュネーブを訪問した際、世界貿易機関(WTO)のファルコナー農業交渉議長が加盟国に対し農産物の「重要品目」を全関税化品目の最大五%に制限する内容の文書を提示したことについては、「問題が多く、状況を混乱させる可能性がある。日本にとっては受け入れられる内容ではない」と強調、「輸出国だけで決められるものではなく、最大の輸入国である日本の立場は非常に重要」との認識を示した。
日伯の農業面での交流にも触れ、「ブラジルの農業には日本移民が貢献し、セラード開発も行った。百周年を機に農業関連の関係発展を検討、協力していきたい」と力強く語った。