2007年5月4日付け
ブラジル愛媛県人会が現在、県人のブラジル移住百年誌を編纂する準備を進めている。同県からは最初の日本移民船「笠戸丸」で二十一人が渡伯、ブラジル日本移民百周年が県人移住百周年でもあることから、記念事業として計画されたものだ。県人会の藤原利貞会長、刊行委員の浅海護也さんが四月二十三日に来社。「全伯各地に暮らす県人・子弟の情報があれば知らせてほしい」と呼びかけた。
〇三年に創立五十周年を祝った愛媛県人会。節目に合わせこのたび、県人移住百年の歩みをつづる記念誌「在伯愛媛県人一〇〇年の歩み(仮題)」が企画された。
現時点の叩き台では、同記念誌は「祖国編」と「ブラジル編」の二章で構成。移住者の送り出しから県、移住家族会の歴史、ブラジル編で県人移住の先駆者紹介や県人会の歴史、在伯県人の現状などについて触れていく。
現在の刊行委員は藤原、浅海両氏と、北原徳美、続木善夫の四人。三月六日に第一回の会合を開き、記念誌の大枠について話し合った。
このほど来社した両氏が呼びかけているのは、在伯県人および子弟、特に遠隔地に住む県系人の情報。サンパウロ州、パラナはじめ全伯各地に暮らす県系人の歴史と発展を記録することが目的だ。
具体的には、「その地での最初の県人入植者」「足跡を残した県人家族」「現在在住している県系人の実態調査」「県人会加入数」「子弟の大学卒業者」「写真や、旅券など県人一世の遺品」などの情報を呼びかけたいとしている。
愛媛県からのブラジル移住は一九〇八年の第一回移民船「笠戸丸」で渡伯した二十一人に始まる。
現在の県人会員は約二百五十家族。藤原会長によれば「県系人全体ではこの四~五倍はいるだろう」という。「一世が高齢化する中、これが最後のチャンスだと思います」と話す。
今後は月に一度程度の会合を開きながら調査、執筆を進め、来年四月ごろの刊行をめざす予定。編纂にあたっては、母県の関係団体、新聞社などとも協力していくという。
浅海さんは「連絡が取れていない人もたくさんいます。この機会に連絡が取れたら。百年誌を作るため協力をお願いしたい」と呼びかけた。
問い合わせは同県人会(11・3207・9575、マリアさん)または浅海さん(11・4796・7966)まで。