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銀行のマンモス化進む=預金の半分が3行に=金利操作、他行右へならえ

2007年5月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】全国の約七三〇〇億レアルに上る銀行預金の約半分が大手三行に集中している。この三行はブラジル、ブラデスコ、イタウーの各行で、昨年の利益総額は一五四億レアルに達した。また八四七〇億ドルと言われる金融機関の回転資金の四二・六%を占めるマンモスぶりとなっている。
 三行が占める割合は一九九四年以来、預金が一二・五ポイント、回転資金が六ポイントそれぞれ上昇した。これによりリーダーの三行が思いのままに金利を操作し、手数料を徴収することで、他の銀行も右へならえとし、利用者に害を及ぼすと懸念する声が高まっている。
 現に法務省内の経済保護局では調査の意向を示しており、マンテガ財務相も二十七日、銀行の手数料は不透明だとの見解を発表し、政府内に調査委員会を設置したことを明らかにした。
 専門家筋によると、銀行の他行の買収や合弁は、オランダのABN銀行の売却の例の如く世界的な風潮で、ブラジルでも短期的にこの傾向は続くとみている。これによりますますグループが巨大化し、銀行利益が増加するとしている。
 また、一九九四年のレアル移行で、銀行はそれまでインフレを利用して利益を上げていたのをフローティング(変動)と呼ばれる資金回転に変更し、巨大な利益を手中にしている。
 これにより、専門家筋は利用客が気づかない程の手数料が新設され、利用客のふところを直撃したと指摘している。大手五行が過去五年間で歴史的な利益を計上した所似である。問題は銀行がその利益を利用客に還元しているかだが、残念ながらその兆候は全く見られない。
 中銀が先週発表したところによると、個人貸付の銀行金利は年平均で四九・九%となっているものの、シェッケ・エスペシアルおよびクレジットカードは一〇〇%以上となっている。いっぽうでクレジット資金不足も高金利の原因で、ブラジルは国内総生産(GDP)の三二%相当となっている。ほかの開発途上国は七〇%に上がり、先進国では一〇〇%に達している。
 現在の銀行ランキングは以下の順(カッコ内は昨年の計上利益)で、ブラジル銀行(六〇億四〇〇〇万レアル)、ブラデスコ(五〇億五〇〇〇万レアル)、イタウー(四三億一〇〇〇万レアル)、連邦貯蓄銀行(二三億九〇〇〇万レアル)、ABN(二〇億五〇〇〇万レアル)、ウニバンコ(一七億五〇〇〇万レアル)、サンタンデル(一二億六〇〇〇万レアル)、HSBC(九億五〇〇〇万レアル)となっている。