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「警備PAC」を実施へ=治安強化の一環として=警備従事者の待遇改善

2007年4月28日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】政府は先に発表した経済活性化計画(PAC)に引き続き、その第二弾となる「警備PAC」を実施する意向を示した。ジェンロ法相が二十六日、明らかにした。
 同相によると、このプランはルーラ大統領の意向に沿ったもので、市民の治安強化を第一前提とした上で、警官などの警備の質を向上させるのを狙いとしている。そのため警備に従事する者の待遇を改善し、基金を設置して中期あるいは長期的に格差を無くして全国的に均等化させるとしている。
 かかる基金はすでに教育相が教育振興基金として実施しており、大統領は同様のものを治安関係に適用することを指示したという。同相は五月三十一日までに原案を大統領に提出する。
 このプランの主旨は給与の均等化(期限は未定)に加え、警官専用の住居の提供(犯罪グループからの迫害のリスクを取り除き、治安に専念させる)と、政府が実行している家族保健プランなどすべての社会福祉プランの適用が盛り込まれている。
 当初このプランは六大主要都市でモデルケースとして実施される。この中にはサンパウロ、リオ、レシフェの各市が含まれる。これらの州では独自の保安局が設けられているが、これを掘り下げて、治安の最も悪い市を連邦政府が仲介して改善していく計画も含まれている。
 国家保安局によると、現在国内に軍警が三十万人、市警が十一万六〇〇〇人、消防が六万二〇〇〇人、技術警官が一万二五〇〇人いる。軍警の初任給の最高はブラジリアの二九〇〇レアルで、最低はアラゴアスの八五〇レアル、サンパウロでは一二四〇レアルとなっている。
 いっぽうで同相はこれにより警官がエリート視されることなく、治安に専念するのが狙いだとした上で、警備が社会に溶け込むことが肝要だと強調している。
 これまでは地域によっては事件発生の時にしか警官の姿を見かけないが、常時、市民の傍にいることをアピールして、安心感を植え付けるべきだとの見解を示した。