2007年4月26日付け
第十八回全伯囲碁名人戦(ニッケイ新聞社主催、日本棋院南米本部後援)は、十五日、二十一日の両日、日本棋院南米本部会館で開催され、烏山久夫七段が優勝した。
参加者は、四段戦から勝ちあがった岡野四段と諏訪三段を含めた五段以上の強豪十一人の総当たり戦で行われた。常勝の烏山七段が緒戦、村尾七段に敗れる波乱があり、どよめきがおきたが、その後白星を重ね、最終戦で全勝の顧世峻六段に快勝、ニッケイ新聞社杯を獲得した。準名人は、9勝1敗で名人と同率ながら、直接対決で敗れた顧六段だった。
烏山名人に緒戦で勝った村尾七段に期待が集まったが、顧六段ら中国系六段二人に惜敗し二敗、名人位に届かなかった。また井沢、平松両六段も七段陣に歯が立たず敗退、岡野四段、諏訪三段も一勝するのがやっとという結果に終わった。
この棋戦は、初段戦から予選が始まり、上位二人が上位の各段で戦うという有段者全員が参加する大会で、最終の予選である四段戦は八日行われ、岡野四段と諏訪三段が決勝戦(本戦)に進出した。三段ながら四段戦を勝ち抜いた諏訪三段は四段に昇進が認められた。
南米本部の役員は「専門棋士もその技量と芸の深さを認める烏山名人の壁は厚く、簡単には破れないと思われるが、若手棋士の躍進を期待するとともに、六段陣の奮起がのぞまれる、今回の棋戦だった」と総括した。