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州政府負債の上限枠拡大へ=見返りは暫定税法延長=両者の思惑一致と財務相

2007年4月25日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】政府は二十三日、各州政府負債の上限枠拡大を承認する決定をし、暫定令を国会に上程する意向を明らかにした。
 これまでの上限枠は九〇年代に法令化された各州の年間収入を超えてはならないと規制されており、先月開催された二十六州の知事会で拡大案が選択されてルーラ大統領に陳情されていた。
 サンパウロ州セーラ知事が二十三日、大統領と個別会談を行った際にこれを強く要請したことで、大統領も決断した。しかし政府は知事側の要請をスンナリと聞き入れた訳ではなく、したたかな計算が用意されていた。
 政府は交換条件として、今年末で期限切れとなる金融取引税(CPMF)と政府経費自由枠(DRU)の暫定税法の延長を各州知事が所属党の国会議員を説得することを前面に押し出した。マンテガ財務相は政府の懐柔策であることを認めながらも、両者の利益が一致するとの見解を示した。
 上限枠がどれ程拡大するか未定だが、各州政府では現行の倍増を望んでいる。セーラ知事はこれにより二〇億ドルの予算を計上して、メトロの車両を新規購入したいとの意向を示している。
 政府は二十三日、DRUとCPMFを二〇一一年まで延長する暫定法案を国会に上程した。とくにCPMFは野党側の反発が強いことから、各州知事を抱きこんででも国会承認を取りつけることに並々ならぬ決意を見せている。
 マンテガ財務相は三五〇億レアルに上る税収(CPMF)を反故にするのはできないとした上で、経済活性化計画(PAC)もこの税収を見込んだ上で作成されたものだと強調した。さらに現行の税率〇・三八%を引き下げる声も高まっているが、減税となった場合はほかの新たな税金を課すことになると強調した。