2007年4月25日付け
日本の農水省が後押しをして、日本料理店を名乗ったり、日本食を提供しています、と自称する海外の店に対して、「推奨」を与える計画が今年度から具体化するという。当然サンパウロ市内の店も対象になるだろう。「日本食レストラン推奨計画」と名付けられている▼なぜ、こんな計画が持ち上がったのだろう。世界中に日本食レストランを名乗る店は、二万五千ほどあるとされる。現状のまま放置すれば、日本料理のイメージや日本食のブランドが損なわれる、と危惧したためらしい▼日本食とはどういうものか知らず、あるいは食材が十分に得られないまま(日本料理だといって)客に提供している状況になんとか歯止めをかけたかったのか。当初、推奨でなく「認証」が考えられたらしい。その後、異論があって修正されたのである▼ただ、サンパウロについていえば、「それは日本食でない」という声などにお構いなしにどんどん変わってきたように思う。本物の食材が得られない不利を乗り越えて、という賞賛?すらあった。また、料理というものはボーダーレス(境界がない)に変わっていくものだ、といった考え方に後押しされたフシもある。寿司はその典型だ。美しい言葉でいうと「国際化」なのである▼さて、推奨計画では、計画に自主的に参加したい店に対して、「推奨マーク」が与えられるようだ。もし、審査員が現地事情を考慮したりして、審査基準にブレが生じれば、計画が有名無実になる恐れもある。(神)