2007年4月22日付け
サンパウロ市東洋街にある高野書店店主の高野泰久さんが二十一日午後四時頃、内臓出血のために入院先のサンタクルス病院で亡くなった。享年六十六歳。
十カ月ほど前から肝臓ガン治療を続けていた。二十日まで店で働いていたが突然悪化し入院した。
山梨県出身で、一九六二年五月サントス着の「あるぜんちな丸」で、南米産業開発青年隊八期生として単身渡伯した。妻の政枝さんによれば、本屋を始めたのは一九七五年ごろ。三十周年を祝ったばかりだった。
昨年活動を一端停止した日伯交流協会でも初期から学生を引き受け、運営を手伝うなど、同協会育ての親的な存在だった。
サンパウロ人文科学研究所でも現役の理事だった。書店在庫には希少本が多く、日本からも小説家や学術関係者がひんぱんに訪れるなど、日伯双方から頼りにされていた。
葬儀は二十二日にゴンゴーニャス墓地で行われ、約百五十人が参列した。政枝さんによれば「初七日は家族だけで静かにやります」とのこと。書店の今後に関しては「まだ分かりません」と語った。