2007年4月21日付け
海外視察ミッションの一環として、(公益信託)日本経団連自然保護基金が支援しているプロジェクトの活動状況を視察するため、経団連自然保護協議会の眞下正樹顧問と谷口雅保部長が、十九日に来伯した。
両氏は、同基金の援助でサンパウロ州ジャカレイ市にあるコチア農業学校敷地内で〇一年に建設された「環境教育センター」を視察したあと、二十一日にパラグアイに赴き、イグアスー日本人会が進めるプロジェクトの進捗状況を確認する。
同日本人会は「入植五十周年に向けた植林活動と環境教育」と題して、同基金の支援を得て昨年から同地原産の植樹を展開。すでに交流の森、友情の森、岩手の森など七つの森を移住地内に誕生させている。
同協議会は経団連の特別委員会の一つで、九二年に設置された。同保護基金に対する委託者にあたる。〇三年には同協議会から発足した企画部会が自然保護宣言を発表し、募金活動の推進やNGOとの連携強化、企業の自然保護活動を援助する活動を続けている。
同基金は昨年までに、世界各地の生物多様性保全に関するプロジェクト、六百七十六件に約二十億円を支援。その内アジア・環太平洋地域への支援が全体の約七割を占めている。
今年度はアジア各国を中心に、約十五カ国で五十九件のプロジェクトの支援を決定。南米では以前からエクアドルのダーウィン研究所が行うガラパゴス諸島自然生態系の保護活動に支援を続けている。
今回がはじめての訪伯という眞下顧問は来年の移民百周年の記念事業に関して、「建物を造るのもいいですが、(建物は)長くはもたない。日本人が樹を植える民であると言われるように、この機に植樹をなさってはどうですか」と笑顔で提案していた。
「まずは同基金の存在を知ってもらいたい」と両氏。「今後南米各地から積極的にプロジェクトが提案されることを願っています」と呼びかけた。