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発銀行総裁決まる=R・コウチーニョ氏=人選難航後、大統領鶴の一声

2007年4月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ルーラ大統領は十八日、社会経済開発銀行の総裁にエコノミストのルシアーノ・コウチーニョ氏を起用することを決めた。同総裁のポストは財務相および開発相の思惑が交錯して人事が難航していたが、大統領の鶴の一声で終止符が打たれた。
 マンテガ財務相は昨年十二月から総裁代行を務めているフィオッカ氏の留任を推していたが、コウチーニョ新総裁の経済路線に同調し、翻意した。ルーラ大統領もフィオッカ氏の手腕を高く評価し、政府内の要職にとどめる意向を示している。
 ポストは未定だが、国庫庁内の要職と噂されている。いっぽうのジョルジ開発相は第二次ルーラ政権で就任したばかりだが、早くも大統領と確執を生む形となった。開発相は元サンタンデル銀行重役のムルジェル氏を強力に推した。
 開発相も同行の元重役で、ムルジェル氏とは同じ釜の飯で気心が良く知れていたのが理由。偶然とはいえ、先頃中銀通貨政策局長に就任したトロー氏も同銀行出身で、同一銀行で要職を締めるのに大統領は反発を示したという。
 しかしルーラ大統領は、金融畑出身者ではなく、開発指向型の人材に固執、コウチーニョ氏の起用を決めた。新総裁は工業政策が専門のエコノミストで、カンピーナス大学(UNICAMP)の教授の傍ら、LCAコンサルタントの共営者。古くはサルネイ政権で科学技術庁長官の経歴がある。
 新総裁決定に工業会は双手を上げて歓迎の意を表している。業界では新総裁が工業政策の専門家でもあることから、今ブラジルが直面している問題を知りつくしていることから、工業部門の成長に関し、政府内での発言を強めていくと期待している。