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マネロンに宝くじを悪用=確率的にあり得ない当選回数

2007年4月18日付け

 【ヴェージャ誌一九九八号】ブラジル人のギャンブル好きは、宝くじ店の前を通れば一目瞭然である。この宝くじ店が、マネロン(資金洗浄)のルートに使われているとジアス上議(ブラジル民主社会党=PSDB)が告発した。
 手口は宝くじの抽選該当者を探し、マネロンの常習犯が現金(違法資金)と引き換えに宝くじの当たり券を手に入れる。常習犯は連邦貯蓄銀行へ赴き賞金(合法資金)を受け取る。これでマネロンのオペは完了。常習犯が所持する資金は、宝くじで当てた合法資産として証明できる。
 インターネットで行われる宝くじは、抽選該当者の割り出しも簡単だし、マネロンにはおあつらえ向きである。宝くじはメガセナやダブルセナ、ロットマニア、キナ、ラスパジニャと色々ある。抽選該当者探しも、マネロンの共犯者として活躍している。
 金融調査委員会(Coaf)によれば過去七年間に七十五人が四三〇〇回当て、賞金が三二〇〇万レアルに上っている。確率の法則に従えば、絶対あり得ないことである。賞金を支払う連邦貯蓄銀行は一人の抽選該当者が、三回以上も賞金を受け取りにきたことで不審に思い背景を調べた。
 宝くじをマネロンの常とう手段に使う犯罪は一九九〇年、国家予算を横領したジョアン・アウヴェス下議から始まった。同下議は急増した個人資産は、宝くじで当てたとして五十六枚の当たりくじを提示した。所得税の申告書にも記載し、合法資産として証明した。
 賞金を受け取った連邦貯蓄銀行がサンパウロ市に集中していることで、行内に共犯者いることも分かった。しかし、職員が犯罪をほう助したことが分かっても、誰が犯人か犯罪の証拠もつかめない。犯罪は立件されないまま、現在もマネロンの手段として利用されている。