2007年4月18日付け
ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)の定期総会が十四日午前、文協展示室で行われ、〇八年の記念事業分を視野に入れた審議を求める声を振りきって、〇七年度分のみの百六万レアルの予算を承認した。十日に官報掲載された免税口座団体「日伯社会文化統合機構」のブラジル法務省正式認可に合わせて、今週にもブラジル一般マスコミ向けの大規模な記者会見が行われる見通しだと発表された。
最初に会計理事が〇六年度分の会計報告を行った。総収入は約三十万レアルで、うちスダメリス銀行はCAP100分として四万三千レアル、イベントへの協力費として八万レアルを寄付しており、全収入の四割を占めた。ほかの主な収入は会費の十二万七千レアルだった。総支出は二十七万レアルで、繰越金は二万八千レアル。
続いて〇七年予算を提案。総収入は百六万レアルで、内訳は会費二十万、協賛金四十万、CAP100分二十二万など。総支出も同額で、人件費十五万、外注費十万、地方への旅費十万に加え、プレイベントに関わる経費四十万が計上されている。
質疑にたった援協の菊池義治副会長は穏やかだが断固とした口調で、「今年のうちにきちんと予算を作って承認しておかないと、来年になってからじゃ、大きな事業はできないですよ。もう一回考え直して、みんなが納得する予算にしたほうがいい」と訴えた。
ブラジル日本移住者協会の小山昭朗会長も「こんな小さい議論やっていても仕方ない。来年も含めた資金をどう集めるかを議論すべき」と訴えた。
広島県人会の大西博己会長(県連代表)や池田昭博氏(サンタクルス病院)などから同協会と免税口座団体(OSCIP)「日伯社会文化統合機構」との関係を質問され、そのたびに渡部和夫顧問がマイクを握って説明する場面が今回もみられた。
議長役の上原理事長は、反対者四人が手を挙げるのを押し切って採決し、〇七年度予算は承認された。
続いて、〇六年中に百周年理事会が承認した七十八の新規プロジェクトが追認された。ほとんどはアポイオ(支援)で同協会は資金的協力をする必要のない事業だが、唯一の例外は文協ビル改装計画で「できる限りの資金的な協力をする」と吉岡黎明プロジェクト委員長は明言。
総会は午前十一時半、二時間未満で終了した。加盟する百十団体のうち三十団体の参加しかなく、低調な関心をうかがわせた。
三月の理事会で承認された記念事業総額は約七百三十九万ドル(約八億五千七百万円)であり、今総会ではその事業内容や集金方法にふれることはなかった。
その件を重ねて問うと、松尾執行委員長は「みなさんが言われるように、はやく記念事業全体の話をしなくては」と苦渋の表情を浮かべ、「たしかに今まで外部に対する記念事業の説明が足りなかった。五月には一般向けのきちんとした説明会ができるようにしたい」と語った。