ホーム | 日系社会ニュース | モジ秋祭り=第22回、鯉のぼり22本=100周年祭の〃前夜祭〃3日間に6万人=農産物を誇示=多岐に「日本紹介」空間

モジ秋祭り=第22回、鯉のぼり22本=100周年祭の〃前夜祭〃3日間に6万人=農産物を誇示=多岐に「日本紹介」空間

2007年4月17日付け

 テーマは『百周年の前夜祭』――。モジ・ダス・クルゼス文化協会(中山喜代冶会長)は、第二十二回秋祭りを、十三日から十五日にかけて、モジ市内の堀井記念体育館周辺で開催した。晴天に恵まれた三日間の来場者数は、約六万人以上(主催者発表)。二万四千平方メートルの広大な敷地の入り口に大きな赤い鳥居が立ち、二十二回目を記念して二十二本の鯉のぼりが揚げられ、来客を迎えた。セントラル地域で収穫された農産物の品評会、茶道や七夕、十二干支などの日本文化紹介スペース、企業の展示ブースに、やきそばや弁当、春巻き、餃子などが並ぶ食べ物コーナー。舞台でも次々と催しが行われ、広い会場は訪れた人で賑わった。
 赤、白、緑、黄色の日伯のカラーで飾られた体育館内部の正面には、「一九〇八年に神戸港を出る笠戸丸」の姿が描かれ、体育館中央には、大きな赤い鳥居と、レタスで描かれた文協のマークが飾られている。廻りには、約六百五十種の農産品がずらりと並べられ、生け花や、日本語学校の生徒による書道や硬筆、絵画作品などが展示された。
 十三日午後に行われた開会式には、沖田豊穂在サンパウロ総領事館領事、菊地義治援協第一副会長、小川彰夫文協副会長、モジ市議会議長らをはじめ、約二百人が参加し、軍警モジ支部の音楽隊員らによる生演奏で始まった。日本、ブラジル、モジ文協、モジ市、サンパウロ州の五つの旗が、日本、ブラジルの国歌とともに掲揚され、続いて来賓らから祝辞が贈られた。
 中山会長は「一年間を通して、準備をしてきた」と藤井キジロウ実行委員長を紹介し、「皆の助けがあって実現にこぎつけた。ここでの農業と、日本の文化を紹介しようと務めている」と感謝の意を示した。代表者らによる鏡割りとテープカットののち、祭りが始まった。
 十四日には、和太鼓や盆踊りが会場を彩り、日本語学校の生徒らが作成した約千個の灯篭が流された。
 「これだけのイベントをできるのは、ここぐらいでしょう」と胸と張るのは、体育館担当の責任者、枝木祐二さん。「ブラジルの生産量のうち、八〇%のびわ(枇杷)、五〇%の柿をモジで作っています。しいたけは八〇%、蘭は南米一の生産地ですよ」。
 来年の日本移民百周年に向け、昨年、会場を同地に移し、今年さらに二割ほど広くした。「五年間会場を担当しているが、同じことはしない。今年神戸港を出発した笠戸丸が来年どうなるか、楽しみにしていてください」と枝木さんは話す。藤井さんは「お客さん、バザリスタ、誰もが気持ちよく使ってもらえるように(昨年の)悪いところは改善しました。店も一割増やして、来年はさらに盛大に開催したい」と意気込んだ。
 会場は土曜の午後、日曜の昼過ぎには人いっぱいになり、飲食品の売店前には人垣が出来た。会場を訪れた松原玲子さんは「やっぱり笠戸丸がインパクトありますね。飾りもきれいで」と感激を言葉にしていた。