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仏心寺でケンカ騒ぎ=初心者とブラジル人僧侶が

2007年4月17日付け

 サンパウロ市リベルダーデ区にある仏心寺で七日午後八時半ごろ、初心者向けの座禅会の後に、ブラジル人僧侶(三十九歳)が、教わりに来ていた初心者のブラジル人(五十二歳ぐらい)に裏庭に呼び出されて暴行を受け、警察に被害届を出した。この件は十四日付けアゴーラ紙で、写真付きの大きな記事で報道された。
 同紙によれば、初心者は僧侶の胸に蹴りを入れ、続いて棒きれで頭を叩いた。怒った僧侶は最寄りの警察に被害届を出し、伯字紙が報じるところとなった。
 同紙は寺の正面写真と共に、「仏教徒が座禅中に僧侶を殴った」との大見出しに「仏教徒は非暴力を説くはずなのに」という揶揄する小見出しまで加え、被害者である僧侶の供述内容を中心に報じた。
 仏心寺に二十年間勤める僧侶、半田慈照さんはニッケイ新聞の電話取材に対し、「勝手なことを書かれて寺としても非常に困る」と半田さんも迷惑顔。「なぜそんなケンカになったか分かりません。人間は我がありますから」。
 当日の座禅会に参加した女性によれば、「まったく穏やかな雰囲気だった。あの後、そんなことがあったとはびっくり」と語った。
 被害届を出したブラジル人僧侶は半年前に同寺で得度したばかり。毎週一回、ボランティアで指導に当たっているが、「まだまだ修行中の身」と半田さんはいう。「いずれにしても、二人とも修行が足りません」と断じた。